核酸アナログ |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質用語編 (NSUBY) |
読み:かくさん-あなろぐ |
外語:Nucleic acid analogue |
品詞:名詞 |
天然に存在する核酸(RNA、DNA)と類似する構造をもった物質のこと。核酸類似体。
|
概要 |
核酸は、燐酸骨格、五炭糖(ペントース糖)、塩基からなるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合によって鎖状に多数連なった生体高分子である。
塩基は4種類で構成され、ペントース糖はRNAならリボース、DNAならデオキシリボースである。
「アナログ」は、人為的に構造を変更したものをいい、核酸アナログであれば核酸・糖・塩基という三種類の構成要素のいずれかが変更されている可能性がある。
特徴 |
人工核酸 |
人工的な核酸として、次のようなものがある(順不同)。
いずれも天然では存在が確認されておらず人為的にのみ生成される。
なおRNAワールド仮説においては、RNAは複雑であるためいきなりRNAが誕生したとは考えられないため、その前にTNA、GNA、PNAなど、より構造が単純な核酸が異なる背景で並行して提供され核酸の候補になった、としている。
核酸アナログ製剤 |
核酸アナログをもちいた製剤が核酸アナログ製剤であり、抗ウイルス剤として使われている。
ウイルスのRNAなどに働きかけ、この人工ヌクレオチドを挿入させることでRNAの伸長を阻害したりRNA複製時に複製エラーを生じさせ、もってその増殖を阻害することで抗ウイルス効果となる。
次のようなものがよく使われていた。
上記4種はいずれもB型肝炎またはHIV-1感染症の治療に用いられる。
また、次のような製剤も核酸アナログ製剤である。主としてインフルエンザまたは武漢肺炎ウイルス感染症の治療に用いられる。
製剤により異なるが、副作用として考えられるのは腎不全や腎機能障害、膵炎、肝腫大(脂肪肝)などである。
治験で効果が認められなかったが、以下の製剤候補も核酸アナログ製剤である。
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |