RNAワールド仮説 |
辞書:科学用語の基礎知識 生物学編 (BBBIO) |
読み:あーるえぬえーわーるどかせつ |
品詞:名詞 |
生命の起源や進化の仮説の一つとして、原始地球上に存在したとする、RNAからなる自己複製系のこと。
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概要 |
原始地球において誕生した初期の生命においては、現在のような「DNA‐RNA‐蛋白質」ではなくRNAのみが存在しており、それが遺伝情報を担うだけでなく、酵素としての機能も果たしたとする。
これとは逆に、先にアミノ酸が重合したポリペプチドや蛋白質が生まれ、これが触媒として機能して核酸を生み出し生命の起源になったとする仮説をタンパク質ワールド仮説またはプロテインワールド仮説という。
特徴 |
核酸 |
地球の生物にとって、酵素はなくてはならないものである。
しかし現在の生物は酵素を触媒として用いて核酸(DNAやRNA)を合成している一方で、核酸(DNAやRNA)の配列から酵素を作っている。はたしてどちらが起源なのか?が長く生命誕生の謎となっていた。
しかしRNAでありながら酵素のような触媒活性を持つリボザイムなどが発見されたことから、RNAは酵素および遺伝情報(DNA)の起源になり得るとして、RNAワールド仮説が提唱された。
核酸の種類 |
RNAは非常に複雑な構造を持つ物質である。このため、いきなりRNAが誕生したとは考えられないため、その前にはトレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)など、より構造が単純な核酸が異なる背景で並行して提供され核酸の候補になった、としている。
ただし、こういった核酸はいずれも天然では存在が確認されていない。このような核酸を一時的にでも使う生物すらも見つかっていない。従って大昔に仮にそういった生物がいたとしても現存はしていないと考えられる。
リンク |
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