安息香酸のナトリウム塩。保存料の一つ。
- 組成式: C7H5NaO2
- 構造式: C6H5COONa
- 分子量: 144.11
- 比重: 1.44 (水=1)
- 融点: 300℃以上
- CAS番号: 532-32-1
- ICSC番号: 1536
安息香酸ナトリウム
- 外観: 白色の結晶状の粉末または顆粒で、無臭
- 溶解性
酸型保存料の一つで、pHが低い(酸性)ほど効果が高い。微生物の呼吸酵素系を阻害することによって増殖を抑制し、食品等の腐敗を防ぐ。
細菌や酵母には有効だが、黴(カビ)には効果が薄い。
農薬としても使われる。
工業的には、フタル酸を分解して得られる安息香酸を炭酸ナトリウムで中和して得る。
天然にも広く存在する。
クランベリー、すもも(プラム/プルーン)、梅の果実、笹の葉などに含有する。
隈笹(クマザサ)など笹の葉の成分中に、安息香酸や安息香酸塩が含まれる。このため、笹には防腐、殺菌作用がある。安息香酸が含まれることは近年の発見だが、この作用は古くより知られ、伝えられて来た。
寿司の下に隈笹を敷いたりするのは、この殺菌作用を活用するためのものである。その他、ちまき、笹だんご、笹もち、笹ゆべし、といった古くからの食品も、この笹の作用を用いて保存性を持たせたものであり、先人の知恵が生かされている。
- 引火点: 100℃より上
- 発火点: 500℃より上
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 軽度に眼を刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 規制値
- 一日許容摂取量(ADI): 0〜5mg/kg体重/日
- 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
- 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
- 暴露許容濃度(TLV): (該当資料なし)
- 残留農薬基準: (該当資料なし)
ADIがなぜか厳しいが、実際の毒性は低く、安全性が高いことが知られている。
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
保存料
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安息香酸