福田
読み:ふくでん
仏教において、布施する側が功徳という苗を植えるための田。
概要
元来は、釈迦を田んぼに見立てたものである。
田に稲を植えると稲が実るように、釈迦に対し、布施をすればいずれ自分に見返りが、悩みを打ち明ければ説法などが返る、とするものだった。
釈迦入滅後、大乗仏教が広まると、更に解釈は広まることになる。
特徴
由来
現在の日本の仏教、つまり大乗仏教では、福田の相手は僧侶に限らない。
妙法蓮華経などが説くように、仏には誰もがなれ、誰でも悟りの世界である彼岸に行くことができる。つまり、誰に対して功徳を積んでも良いということになる。
三福田・八福田
対象が誰でも良いというのであれば、権力者などに持って行こうとなりがちであるので、三福田という考え方が生まれた。
- 敬田 ‐ 仏法僧
- 恩田 ‐ 父母祖先など、恩に報いるべきもの
- 悲田 ‐ 貧者や病人など哀れむべきもの
また、これを更に分けて八福田とすることもある。
- 仏田 ‐ 仏は福徳を生ずる田であり、最高の田圃である
- 聖人田 ‐ 聖人つまり大菩薩(教祖)の田圃
- 和尚田 ‐ 寺の住職、弟子に具足戒を授ける師の田圃
- 僧田 ‐ 僧つまり信者の田圃
- 父田、母田 ‐ 両親の田圃
- 病田 ‐ 病人にの田圃
- 貧田、苦田 ‐ 貧しい人の田圃
- 畜生田 ‐ 動物の田圃
現在で言うところの道徳や福祉の要素を含み、これが支那を経て日本へと伝わった。
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