十二因縁
読み:じゅうにいんねん
人間が苦しむ12の原因のこと。妙法蓮華経の第三巻「化城喩品第七」で説かれる。
十二因縁
- 無明
- 行
- 識
- 名色
- 六処
- 触 (觸)
- 受
- 愛
- 取
- 有
- 生
- 老死、憂悲、苦悩
化城喩品第七
化城喩品第七では、次のようにと説かれている(訓読、旧字)。
爾の時に大通智勝如來、十方の諸の梵天王及び十六王子の請を受けて、〓時に三たび十二行の法輪を転じたもう。
若しは沙門・婆羅門・若しは天・魔・梵、及び餘の世間の轉ずること能わざる所なり。
謂わく是れ苦・是れ苦の集・是れ苦の滅・是れ苦滅の道なり。及び廣く十二因縁の法を説きたもう。
無明は行に縁たり、行は識に縁たり、識は名色に縁たり、名色は六入に縁たり、六入は觸に縁たり、觸は受に縁たり、受は愛に縁たり、愛は取に縁たり、取は有に縁たり、有は生に縁たり、生は老死・憂悲・苦惱に縁たり、無明滅すれば則ち行滅す、行滅すれば則ち識滅す、識滅すれば則ち名色滅す、名色滅すれは則ち六入滅す、六入滅すれば則ち觸滅す、觸滅すれば則ち受滅す、受滅すれば則ち愛滅す、愛滅すれば則ち取滅す、取滅すれば則ち有滅す、有滅すれば則ち生滅す、生滅すれば則ち老死憂悲苦惱滅す。
例えば「無明は行に縁たり。」とある。行は無明が原因となって生じたという意味で、それに続く説明をもって、物事が生ずるには必ず原因(因)と理由(縁)があることを説明している。
対して「無明滅すれば〜苦惱滅す。」まではその滅し方が説かれていて、苦悩を滅するには最終的には無明を滅すればよく、もって一切の束縛から逃れられることが説明されている。
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