不動明王
読み:ふどう-みょうおう
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 仏教五大明王の筆頭。梵名はacala naatha(アチャラナータ)。
目次

概要
 密教(真言宗天台宗など)では本尊である大日如来の化身とされる。
 また妙法蓮華経でも説かれるため、日蓮宗など他の日本の宗派でも信仰されている。

特徴

由来
 ヒンドゥー教の神シヴァに対応し、これが由来とする説が有力である。
 密教における仏身観、三輪身の一つ教令輪身(きょうれいりんしん)に対応する。
 五大明王の中央に位置する。不動尊、お不動さんとも呼ばれる。

姿
 悪魔を降伏させるため、恐ろしい姿をして描かれている。
 火焔を背にし、目を怒らせ、右手に降魔の剣、左手に縄を持つ、憤怒の姿をしている。
 しかしその心は慈悲に満ちており、教令輪身、すなわち、素直に仏道に従わない者を強引に導き救済するとされる。

火焔
 火焔を背にして描かれるが、すなわち火焔の中に住んでいることを意味する。
 これは火生三昧といい、衆生の煩悩を焼き尽くして悟りへと導くためとされる。
 真言宗などでは不動明王の前で護摩を焚く儀式があるが、これは仏の智慧の火で苦の根元である煩悩を焼き尽くし、もって大願を成就せしめるとされている。

閻魔十王
 支那から伝わる仏教の閻魔十王信仰では、冥途の旅初七日の裁判官、秦広王が対応する。
 すなわち人の死後、最初に裁きあるいは導きを与えてくれる存在が不動明王である。
 このため、初七日忌(7日目)の供養本尊である。

御利益
 不動明王には大威力があり、難を除き、魔を降伏させ、もって一切衆生に分け隔てなく利益を与える広大無辺のご神徳があるとして信仰されている。
 また、あらゆる祈願に対し、ご利益をいただけるとしている。

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