LAPD
読み:ラップ-ディー
外語:LAPD: Link Access Procedure on the D-channel
ISDNのDチャネル用データリンク層(レイヤー2)プロトコル。
概要
HDLC手順のABMを基本にした、端末と網が対等(端末側、網側のどちらからでもリンク設定が可能)な関係にあるフレーム伝送方式である。
ITU-Tの勧告I.440とI.441の中で、X.25のLAPBとISOのHDLCの原則と用語を使って規定されている。
より具体的には、LAPDはHDLC手順のサブセット(下位互換)である。
特徴
P-MP接続
ISDN特有の、ポイント・マルチポイント配線(P-MP接続、バス配線)上の複数台の端末と網間での情報転送を可能とするため、1回線上にデータリンクが1個のみのLAPBに対して、次のような仕組みが用意されている。
- 多重データリンク(1回線上に複数のポイント・ポイント型リンクを設定可能)
- 放送形式データリンク(バス配線上の端末全てに同一情報を転送する。ポイント・マルチポイントリンクとも呼ぶ)
- データリンク識別子(DLCI=TEI+SAPI)による個々のリンクの識別
なお、個々のリンクコネクション上の動作はLAPBと同様である。
転送モード
LAPDの転送モードには、非確認型転送モードとマルチフレーム確認型転送モードの2種類がある。
非確認型転送モードはレイヤー3情報を非番号制情報フレーム(UI: Unnumbered Information)により送達確認をせずに転送するモードで、単発的なデータの全端末への一括送信などに用いられる。
マルチフレーム確認型転送モードは情報フレーム(I: Information)により転送するモードで、送達確認と誤り回復機能などにより網または端末に確実に転送が行なわれる。
なお、非確認型転送モードはポイント・ポイントおよびポイント・マルチポイントリンクの両方に適用され、マルチフレーム確認型転送モードはポイント・ポイントリンクにのみ適用される。
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