IPng
読み:アイピーエンジー
外語:IPng: IP The Next Generation
次世代のIPのこと。IPv4は、誕生時点では充分と思われていながら、実は誕生時点から既にIPアドレスは枯渇しており、1990年代に入るとそれは決定的なものとなっていた。
そこでこれを解決する新たなプロトコル策定が議論され、その際の名前(仮称)が次世代のIPという意味のIPngである。
これは、現在のIPv6に相当する。
歴史
初期
1993(平成5)年9月に次世代プロトコルを検討するための作業部会である「IPng-WG」がIETF内に発足した。
ここでまずホワイトペーパー(RFC 1550)を作成し、インターネットコミュニティーに次世代IPのための選定基準を求めた。そして翌年、IPng選定のための技術基準(RFC 1726)としてまとめられた。
原則
RFC 1726におけるIPngの基本的な原則は、次の5点である。
- 簡単な構造であること
- 一つのプロトコルであらゆる上位プロトコルに対応すること
- 長寿命(およそ20年程度)であること
- 発展性があること
- 統制されない協調性
この原則に沿い、幾つか提案された候補から最終的に三つの候補、TUBA、CATNIP、SIPPが選出された。
選出
この候補中、真っ先に脱落したのはCATNIPである。
その後はTUBAの可変長アドレスか、SIPPの固定長アドレスかの議論が続き、固定長の方が処理しやすいという結論に至る。
最終的にIPngは、SIPPをベースに、TUBAの利点を取り入れるがIPとしての基本的な姿勢を変えない、という結論をIPng案とし、評価結果と共に1995(平成7)年1月にRFC 1752として公開された。
IPv6
またこのRFCに先立ち、前年の第30回IETFミーティングにおいて、IPngにはSIPPの128ビット長アドレス版であるSIPP-16の採用が決定され、同時にIPv6と命名された。
この後、作業部会もIPv6-WGに名を改め、IPv6の設計などに取り掛かることになる。
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