リンクローカルアドレス
読み:リンクローカルアドレス
外語:link local address

 同一のリンク内でのみ有効なIPアドレスのこと。近隣のノードに対する通信に用いられる。
目次

概要
 同一リンクとは、ルーターを超えない範囲内をいう。
 ルーターは、このアドレスが発信元となったパケットを、他のリンクへルーティングしない。
 IPv4にもIPv6にも存在する。IPv6では必要なプロトコルだが、IPv4では特別に必要が無いものである。

IPv6

IPv6アドレス範囲
 IPv6アドレスのリンクローカルアドレスは、全てのインターフェイスがそもそも持っているアドレスである。
 このアドレスは「FE80::/10」となる。
 規格上、常に0となるビットがあるため、具体的には、次の範囲が使用される。
 約1844京個分の領域がある。

構造
 RFC 1884で規定されて以来、RFC 2373RFC 3513RFC 4291とIPv6アドレッシングアーキテクチャーのRFCは更新されたが、リンクローカルアドレスの仕様は変わっていない。
 インターフェイスIDしか情報が無く、このアドレスはリンク内でしか一意でないため、複数のリンクを持つホストから見た場合に区別ができない。
 そこで、アドレスの末尾に%を付けてインターフェイスの番号や名前を表記するのが一般的となっている。
 fe80::223:4567:89ab:cdef%5
 fe80::223:4567:89ab:cdef%lo0

用途
 ネットワークに接続されると、まずインターフェイスはRSを送信し、リンクローカルアドレスにRAが返されるのを待つ。
 このアドレスは常に「ユニキャストアドレス」として用いるため、「リンクローカルユニキャストアドレス」という。
 同一リンク内で他のホストと交信、例えばアドレス解決ルーティングプロトコルの交換等、制御情報のやり取りに使われる。
 IPv6の場合、どのような方法で外部と通信可能なIPアドレスを得るにしても、リンクローカルアドレスは常に持ち続ける。従って、通常は一つのインターフェイスに対して二つ以上のアドレスが振られることになる。

IPv4

IPv4アドレス範囲
 アドレスは169.254.0.0/16の範囲を使う。
 つまりクラスBであり、ネットマスクは255.255.0.0である。

補足
 IPv4には元々リンクローカルという概念は存在しなかったが、RFC 3927で定義された。アドレスについては、RFC 6890で定義されている。
 具体的には、統制されないIPv4アドレスの完全自動割り振り機能のAPIPAなどで使われる。
 但し、APIPAでIPアドレスが振られたノードは、同一ネットワークにあるAPIPAでIPアドレスが振られたノードとしか通信できない。つまり、IPアドレスがDHCPや手動で設定されたノードとは、普通は通信ができない。

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