DIGNO DUAL
読み:ディグノ-デュアル
外語:DIGNO DUAL

 WILLCOMの、京セラ製のAndroidスマートフォン。実際には通話のみをPHSにしたソフトバンクモバイルのスマートフォンである。型番「WX04K」。
目次

概要
 2012(平成24)年6月21日発売。製品発表は、2012(平成24)年5月29日11:00(@124)から開催された夏新商品発表会においてなされた。
 ソフトバンクモバイル用のスマートフォンにPHSによる通話機能を付けたもの。しかしPHSの主要な機能の殆どが搭載されておらず、このためPHSとして実用にならない。
 この端末は、通話はPHS、データ通信はソフトバンク3Gというコンセプトの端末だが、PHSデータ通信とライトメールが不可であるため、そもそもPHSである意味がない。この2点がDIGNO DUAL最大の欠点であり、そしてDIGNO DUALが持っている全ての欠点の原因となっているのである。

製品仕様
 採用されたオペレーティングシステム(OS)はAndroid 2.3.4でAPIレベル10である。
CPUR-Mobile APE5R 1.2GHz(デュアルコア)
液晶ディスプレイ1677万色、約4.0インチTFT液晶、WVGA(480×800ドット)
メモリーROM 2Giバイト、RAM 1Giバイト
通信機能PHS(通話機能のみ)
W-CDMA(ソフトバンク3G)
GSM
無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)
Bluetooth 2.1+EDR
赤外線通信
デジタルカメラアウトカメラ 約500万画素/CMOS(AF)
インカメラ 約30万画素/CMOS
質量約148g(バッテリー装着時)
外形寸法64×10.7×130mm(突起部除く)
接続端子USB 2.0/microUSB (イヤホン端子兼用)
ストラップホール
カードスロットmicroSDカードスロット、microUSIMカードスロット
電池パックLB03KC (3.7V 1520mAh 5.7Wh)
連続通話時間約11時間(PHSモード)、約7時間(3Gモード)、約5.5時間(GSMモード)
連続待受時間約390時間(PHS/3Gデュアルモード)、約200時間(GSMモード)
フル充電時間4時間
防水IPX5/IPX7
 イヤホン端子はない。4極ステレオミニ(3.5〓の4極イヤホン)が利用できるイヤホン変換ケーブルをmicroUSBに接続して使用できる。

契約プラン
 「ウィルコムプランD」のみ選択可能。2013(平成25)年7月現在の料金。

ウィルコムプランD
 通信速度制限1.2Giバイト (1000万パケットで発動)
 機種代金は42,000円。24回の割賦も可。2年間使う気ならW-VALUE割引のある割賦が得ではある。
 なお、契約は3年縛りである。もちろん自動更新で、違約金は9975円。2年ではない、3年である。
料金プランウィルコムプランD 
月額基本料980円/月
WEB接続料315円/月
パケット定額料5,460円/月
機種代金DIGNO DUAL 2 分割支払金1,750円/月
W-VALUE割引-1,250円/月
(実質500円/月)
(頭金2,480円)
月々の支払い代金7,255円/月
(支払回数24回/25ヶ月)
オプションだれとでも定額 月額基本料0円/月
 ウィルコムプランD加入でだれとでも定額が無料のキャンペーン実施中。

特徴

バージョン

沿革

問題点

利点がない
 DIGNO DUAL用の新料金プランは、PHSと比較すると大幅増確定な上に、3年契約プランのみである。

PHSとして機能不足
 WILLCOMとしては初のAndroidスマートフォンとなることから、発表前より多くの人の期待を集めたものの、2012(平成24)年5月29日、待ちわびた多くのWILLCOMファンは、その残念な仕様に裏切られることになった。料金が高いと言うこともあるが、それ以前に、これはPHSとしての機能の大半を欠いていたからである。
 そもそも、PHSパケット未対応とした時点で、この製品は魅力の大半を失うことになり、それに加えてライトメール未対応とした時点で、この製品はPHSとして期待される機能が何も出来ない欠陥品になってしまったのである。

メール関係
 メールアドレスは従来のものが利用できない。
 DIGNO DUALはソフトバンクモバイルのネットワークを利用するが、ソフトバンク網経由でWILLCOM網にある「pdx.ne.jp」を利用することが様々な理由から困難だった。このため新規のwcm.ne.jpドメインを作り提供することになった。
 前二つは、AndroidにPHSスタックを搭載するだけの充分な人的リソースを用意できなかったためと見込まれる。最後はWILLCOM側の資金的な問題がある。
 W-SIMを使えば全てが低コストで解決していたはずだが、WILLCOMがソフトバンクの手に落ちてからというものW-SIM技術は廃止が前提とされてしまったために、これも不可能だったのである。
 ちなみに、同様に3Gを使うHYBRID W-ZERO3の場合、ライトメールには対応しているため通知のライトメールを受信したあと、それをトリガーとしてメールサーバーに受信に行くことができる。DIGNO DUALはそれすらも出来ないという欠陥仕様なため、WILLCOMのメールをそのまま使おうとしたなら、頻繁に受信確認を続ける必要があり、しかもWILLCOMの場合はダイアルアップしないといけないので時間も掛かるとあり、これは非現実的と判断されたのだと思われる。

経緯

FCC
 FCCの認証機器リストにFCC ID「JOYYTMF-1」として掲載されたことで発覚した。
 FCCの公開資料によれば、W-CDMAIEEE 802.11b/g/nBluetoothにも対応すると記載されているとされ、認証は次の周波数でFCCを通過したとする。

TELEC(技適)
 「YTMF-1」として、2012(平成24)年2月29日付けでTELECを再通過した。この端末は2012(平成24)年1月までに1回通過していることが知られていることから、これは2度目の通過とされている。何らかの仕様変更があったのだろう。
 今回YTMF-1は、下記の無線種別で技適(総務省の技術基準適合証明又は工事設計認証)を通過している。
 今回はモバイルネットワークの周波数帯のみでの通過で、Bluetoothや無線LANの周波数帯での認証は受けていない。
 モバイルネットワークは、W-CDMA 2100(バンドI)/1500(バンドXI)MHz、PHS 1900/1800 MHzで通過している。
 W-CDMA(3G)方式はSoftBank 3Gのネットワークを使用する。バンドXIにも対応していることから、SoftBankのHSPA+サービスであるULTRA SPEEDにも理論上は対応可能とみられる。

PTCRB
 2012(平成24)年4月3日付でPTCRB認証を通過。ここではW-CDMA バンドI(2100MHz)、GSM 1900/1800/900MHzで認証を受けている。

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