カプセル化
読み:カプセル-か
外語:encapsulation
ある通信プロトコルのデータを、別の通信プロトコルのデータとして包み込んで送受信すること。
概要
包み込まれた(カプセル化された)時点で元の機能は一旦失われて単なるデータ列となり、包み込んだ通信プロトコルによってデータは送られる。送られた先で中身を取り出す(カプセル化を解除する)と、元の通信プロトコルの機能を取り戻すことができる。
内部のパケットにある宛て先アドレスなどは、カプセル化が解かれるまでは一切参照されない。これがあたかも、データをカプセルに入れるかのようであることから、カプセル化、と呼ばれるようになった。
別の通信経路を用いて遠隔間を繋いだり(トンネリング)、通信の途中で暗号化したいといった場合に使われることがある。
特徴
暗号化
カプセル化は、VPN技術などでよく使われる。
但し、カプセル化と暗号化は概念の異なるものであり、カプセル化しても暗号化しないようなプロトコルもある(例:L2TP)ので注意が必要である。
利用例
例えば、IPv6に対応した2台のホストA、Bと、それぞれに接続したルーターa、bがあるが、a‐b間のネットワークはIPv4にしか対応していないとする。
A‐B間の通信をIPv6でつつがなく行なうためには、AがaへIPv6で送信したパケットに対し、aがIPv4ヘッダーを付け、IPv4パケットにカプセル化してからbへ送信、bはそのカプセルを解き元のIPv6パケットを生成、それをBに送るという手順となる。このaが行なう操作がカプセル化である。
主な例
- IPトンネリング
- ネットワーク層(第3層)で動作するもの
- IPv4 encapsulation (プロトコル番号4) (RFC 2003)
- IPv6 encapsulation (プロトコル番号41) (RFC 2473)
- GRE (プロトコル番号47)
- IPIP (プロトコル番号94)
- ETHERIP (プロトコル番号97) (RFC 3378)
- IPX-in-IP (プロトコル番号111)
- ISIS over IPv4 (プロトコル番号124)
- PIPE (プロトコル番号131)
- MPLS-in-IP (プロトコル番号137)
- データリンク層(第2層)で動作するもの
再検索