RAMディスク
読み:ラムディスク
外語:RAM Disk

 メインメモリー(RAM)の一部を利用した、仮想的なディスクドライブのこと。
 RAMではないがシリコンディスクのことを言うこともある。別項参照。
目次

利用目的
 RAMディスクには、大きく二つの利用目的がある。
  1. 物理ドライブの代用
  2. 速度の向上

物理ドライブの代用

概要
 その昔の日本のパソコンは、同じタイプのフロッピーディスクドライブ(FDD)が2台用意されていることが一般的だった(PC-8801PC-9800シリーズなどがその例である)。
 そのため、アプリケーションもFDDが2台あることが前提で作られていることが多かった。
 時は流れ、ノートパソコンハードディスクドライブ(HDD)の普及、パソコン自体の小型化が進み、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションはHDDにインストールされて利用されることが一般化しFDDの持つ役割は低下、結果としてFDDの搭載は1台だけとされたり、ノートPCでは外付け扱いされてしまい、場合によってはFDDが接続されていないという状況も生まれた。
 しかし、それでは既存のFDDベースのアプリケーションは動かない。そのため、仮想的なディスクドライブを作成してFDDの内容をそこにコピーして利用するということが行なわれるようになったのである。

実現方法

コピープロテクト
 フロッピーディスクに施されたコピープロテクトには対応していない。
 これで涙を飲んだ人は数多い。

速度向上
 高速なディスクドライブが必要とされる場合に、RAMディスクが用意されることも多かった。
 いわゆるテンポラリにRAMディスクを用いることはDOS時代にはよく見受けられた。FEPの辞書をRAMディスクに複写することで、高速な変換をするような運用もあった。
 ただし、現在ではメインメモリーの容量が桁外れに多くなったため、わざわざテンポラリファイルを出力せずとも、メインメモリーに確保した領域だけで事足りるようになってきた。
 同じメインメモリーを使うのであれば、わざわざRAMディスクにする必要がなくなり、今ではこのような目的で使われることは殆どなくなった。

特徴

実現方法
 RAMディスクには、大きく次の実現方法がある。

外部機器
 RAMカード(RAMボード)をバススロットなどに追加し、これをRAMディスクとして使うような運用が、DOSの時代から存在した。
 DOSの頃は、物理的なメインメモリー容量が少ない上に、ディスクドライブも遅かったため、このような需要が存在したのだと考えられる。当時は、DRAMではなくSRAMを使い、電池で内容をバックアップするような製品もあった。
 最近でも、GIGABYTEのSDRAMを使用した製品「i-RAM」といったものもあり、一定の需要はあるらしい。i-RAMはPCIカードであり、PCIバスに差し込んで使われるが、実はPCIからは電源を取る(電源をOFFにしてもスタンバイ電流で内容を保持できる)ことと、カードの固定が目的で、実際はシリアルATAで本体と接続される製品である。

メインメモリーの一部を使う

MS-DOS
 MS-DOSでは、このような運用が多かった。
 古くはBMSEMSを利用し、これをデバイスドライバーを用いてドライブとして使った。
 仮想86モードが動作するi386以上では、プロテクトメモリーがRAMディスクとして用いられ、MS-DOS 4以降ではこのデバイスドライバーが標準で付属するようになった。

FreeBSD
 FreeBSDにも、メインメモリーをRAMディスクとして用いるデバイスドライバーがある。
 /tmpのように、いつ消えても良いテンポラリ置き場をRAMディスクにするような運用も多い。

Linux
 Linuxでは、ramfsやtmpfsといったカーネルモジュールが存在する。

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