Microsoft Windows 7
読み:マイクロソフト-ウィンドウズ-セブン
外語:Microsoft Windows 7
2009(平成21)年10月22日に一般販売を開始した
Microsoft Windows
で、
Windows Vista
の後継。開発コードネームも同じ。
目次
概要
由来
バージョン
沿革
エディション
特徴
全般
ハードウェア対応
各種の上限
分類
CPU数
メモリー上限
情報
バージョン
商品名
文字
SP1
補足
AeroスナップとAeroシェイクの停止
コマンド ウィンドウをここで開く
「〜へのショートカット」を付けない
メモリー診断
概要
由来
Microsoft
の、Windows Vistaの後継
オペレーティングシステム
(OS)である。
カーネル
は、操作性などが不評だったWindows Vistaのものを、ほぼそのまま使っている。
バージョン
2009(平成21)年10月22日: Windows 7 (6.1.7600)
2011(平成23)年2月17日: Windows 7 SP1 (6.1.7601)
沿革
2009(平成21)年1月9日: ベータテスト開始、
ベータ版
(Build 7000)公開
2009(平成21)年1月13日: 日本語版ベータテスト開始
2009(平成21)年1月23日: ベータ版ダウンロードは2009(平成21)年2月12日(現地時間)で終了すると発表
2009(平成21)年5月5日: リリース候補(RC)版(Build 7100)公開
2009(平成21)年9月1日: 日米などで企業向け販売を開始
2009(平成21)年10月22日: 一般販売開始
2011(平成23)年2月17日: Windows 7 SP1 ボリュームライセンス提供開始
2011(平成23)年2月23日: Windows 7 SP1
Windows Update
提供開始
2015(平成27)年1月13日(米国時間): メインストリームサポートを終了
エディション
Windows 7は、用途に応じた複数のエディション(版)が用意されている。
Starter (一部のOEM向け)
Home Basic (新興国市場向け)
Home Premium (一般消費者向け)
Professional (中小企業向け)
Enterprise (大企業向け)
Ultimate (「すべてを望む」ユーザー向け)
Windows Vistaとは違い、Windows 7の各エディションは互いに「スーパーセット」で、上位のエディションは下位のエディションの全機能を含んでいる。
また、Windows 7は幅広い機器に対応するため、Netbook(ミニノートPC)などでも複数のエディションからOSが選択可能、とされている。
特徴
Windows Vistaに対する、Windows 7の主な特徴は次の通り(順不同)。
全般
Windows Vistaより、若干のパフォーマンス向上
ディスプレイメモリー消費量の改善 (ウインドウ数によらずメモリー消費量は一定)
起動時間の短縮
ユーザーアカウント制御
(UAC)の動作を数段階に設定可能に
Unicode
の機能「
IVS
」への対応
外来語表記基準の変更(末尾音引きの付加)
ハードウェア対応
Bluetooth
で、
A2DP
に標準対応
カーネルが対応する論理プロセッサー数は最大256
タッチパネル
での操作に対応
WDDM 1.1(Windows Display Driver Model 1.1)
Direct 3D 10.1 APIを前提とするが、GDIハードウェアアクセラレーションを再実装
USBメモリー
からインストール可能
SSD
への正式対応 (動作速度の大幅な向上)
Windows ReadyBoostへの対応は継続
NDIS
6.20
各種の上限
分類
対応は、大きく三種類に別れる。
32ビット版: エディション問わず低機能
低機能な64ビット版: Starter、Home Basic、Home Premium
高機能な64ビット版: Professional、Enterprise、Ultimate
CPU数
物理CPU数の上限はエディションに依存し、Home Premium以下では1個、Pro以上で2個である。
マルチコア
時のコア数の上限は、エディションは無関係で、32ビット版は最大32個、64ビット版は最大256個である。
メモリー上限
32ビット版は、Starterは最大2Giバイト、それ以外は4Giバイトである。4Giバイト上限はこれは32ビットCPUの制限であり、
4Gバイトの壁
と呼ばれる。
64ビット版は、Home Basicが最大8Giバイト、Home Premiumが最大16Giバイト、Professional以上で192Giバイトである。
情報
バージョン
Microsoft Windows 7β1 (6.1.7000.0.081212-1400)
バージョン番号は、次の仕様となっている(数値は例)。
6=メジャーバージョン番号(NT Version 6)
1=マイナーバージョン番号
7000=メジャービルド番号
0=マイナービルド番号(必要時のみ記載、さもなくば省略)
081212-1400=ビルド日時(YYMMDD-hhmmで、時刻は24時間制)
商品名
開発コードネームが「Windows 7」だったが、後にこれが商品名となった。こうして勃発したのは、「どう数えたら7番目になるのか」という問題である。MicrosoftのWindows開発チームは、次のように説明する。
最初のWindowsはWindows 1.0、2番目はWindows 2.0、3番目はWindows 3.0だった。その後は混乱するが、Windows NTはバージョン3.1、Windows 95/98/98 SE/Meまではバージョン4、Windows 2000/XPがバージョン5で、Windows Vistaはバージョン6.0なのであり、その「次」なので「Windows 7」なのだ、としている。
なお、「Windows 7」だが、内部のバージョン番号は7.0ではなく、6.1である。
結論として、「どう数えたら7番目になるのか」は全く解決していない、大いなる謎の一つである。
文字
最初のリリースでは、Unicode 5.1までしか扱うことができず、Unicode 5.2以降に追加された文字が表示できない。
この不具合は、SP1から訂正されることになった。
SP1
Windows 7 SP1は、Windows 7出荷開始以降、
Windows Update
などで提供されたHotfixとセキュリティ更新プログラムをまとめて適用するパッケージである。
不具合の修正が主であり、新機能は含まれていない。
補足
AeroスナップとAeroシェイクの停止
Windows 7では、勝手にウインドウが最大化するなど、非常に煩わしい機能がある。
Aeroスナップ
ウィンドウを画面の上端にドラッグ&ドロップすると勝手に最大化する
ウィンドウを画面の右端または左端にドラッグ&ドロップすると勝手に半画面固定になる
ウィンドウ境界線をドラッグして画面の上端または下端にドロップすると勝手に垂直方向に最大化する
Aeroシェイク
ウィンドウのタイトルバーを左右に数回ドラッグ(シェイク)すると、そのウィンドウ以外が勝手に最小化する
もう一度同じ操作をすると、他のウィンドウが元に戻る
タブレット用OSというなら分からないこともないが、普通にPCで使うのであれば、これほど邪魔な機能はない。これを無効(停止)にする方法は次の通りである。
「コントロール パネル」
「コンピューターの簡単操作センター」を選ぶ
「コンピューターでの作業に集中しやすくします」を選ぶ
下の方にある「ウィンドウの管理を簡単にします」の「ウィンドウが画面の端に移動されたとき自動的に整列されないようにします」にチェックを付ける
その後「OK(O)」または「適用(P)」ボタンを押せば設定される。
ここから判断すると、この「Aeroスナップ」なる機能は、「
コンピューターでの作業に集中しにくくする機能
」でありかつ「
ウィンドウの管理を難しくする
」、本当にろくでもない機能であると、Microsoftは判断しているらしい。
コマンド ウィンドウをここで開く
Windows エクスプローラーで、フォルダーをShiftキーを押しながら右クリックすると、メニューに「コマンド ウィンドウをここで開く」が出てくる。
これはWindows 7の前、Windows Vistaから追加された機能である。このためWindows XPの頃は必要だったレジストリーの変更は不要である。
これを常に表示することも可能で、この場合はレジストリーの変更が必要である。
具体的には、HKEY_CLASSES_ROOT\directory\shell\cmd の中にあるレジストリエントリ Extended を削除すればよい。
Extended というレジストリエントリは、Shiftを押したときのみ動作させるための目印である。
標準の右クリックメニューに表示されないのは、コマンド ウィンドウは明らかに初心者向きではないことから、初心者の混乱を防ぐためと考えられる。
「〜へのショートカット」を付けない
ショートカットを作成すると、「〜へのショートカット」など余計なものが付くのがWindowsの伝統である。
Windows 7では、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer の中にあるレジストリエントリ link を 00 00 00 00 に変更し、その後ログオンしなおすかコンピューターを再起動すれば良い。
なお、link は4バイトのバイナリ値を保管するレジストリエントリで、標準では1E 00 00 00となっている。
メモリー診断
メモリーが正常であるかどうかを確認するため、メモリー領域を読んだり書いたりすることで確認する機能である。
従来は、フリーソフトのmemtest86やmemtest86+が有名であったが、Windows 7には標準でこの機能がある。
「コントロール パネル」→「管理ツール」→「Windows メモリ診断」
この機能は、Windows起動中には実行できないため、再起動が必要である。
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