MP4コンテナー
読み:エムピーフォー-コンテナー
外語:MP4 container

 MPEG-4のデータを格納するための標準のコンテナーフォーマットの通称。正式には「MP4 file format」という。
目次

概要
 MPEG-4の第14部(ISO/IEC 14496-14)で「MP4 file format」として定められている。
 従来のMPEGでは、標準のコンテナーフォーマットを定めていなかった。このため、たとえば有名なmp3も、符号化された生データをそのまま格納したファイルとなっている。
 この反省として、MPEG-4では標準を定めた。QuickTimeのファイルフォーマットであるmovコンテナーをベースとして作られたファイルフォーマットの標準が、MPEG-4の第12部(ISO/IEC 14496-12)「ISO base media file format」である。
 そして、この標準「ISO base media file format」からMPEG-4用に派生させたものが、この「MP4 file format」である。

特徴

拡張子
 映像を含む動画ファイルは拡張子を.mp4、iTunesなどで用いる音声だけのものは拡張子に.m4aを用いる。
 映像も音響も、MPEG-4で扱える形式は全て格納できるが、日常的に使われている.m4aの音声コーデックはMPEG-4 AACが多い。

音楽ファイル
 mp3からの連想で、MPEG-4 AACを利用した音楽ファイルのことを指すことも多いらしい。
 ただしMP4は映像も音響も含めることができるマルチメディアフォーマットである。そこで音楽ファイルの場合は上述のように.m4aという拡張子を用いるのが通例となっている。

RAW AAC
 mp3の反省で生まれたMP4コンテナーだが、コンテナーに入れていない生のMPEG-4 AACデータ、というものも理論上はありうる。
 これはRAW AAC(生のAAC)という。
 AAC音声はMP4コンテナーに入れるのが一般的だが、ほかに、ogmコンテナーやMatroska(MKVコンテナー)に入れることも可能である。

用途
 動画ファイルにも様々あり、より本格的なビデオであればAVCHDなどが採用されるケースが日本では多かった。
 MP4コンテナーの場合、1ファイルに全てが記録され取り回しが便利なこと、スマートフォンでも見られることなどの利便性がある。このためインターネットとの親和性が高いとして使用されており、ビデオ機器でもライトユーザー向けの製品でMP4が使われる事例が多いほか、上位機種でもタブレット端末などでの再生を想定し、MP4に対応する製品が増えつつある。

構造

書式
 基本的には、次のようになるシンプルなものである。
 各ボックスは、具体的なデータである場合と、さらに子要素としてボックスを含む階層構造を構成する場合とがある。
 MPEG-4の仕様上は、各ボックスはどのような順序で格納しても良いことになっているため、ファイルの具体的な情報は実際の音響や映像の後、最後の方に付けられていることもある。

構成
 構成は、QuickTimeのmovコンテナーフォーマットと共通である。これら以外にも、必要に応じて逐次挿入されうる。

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