FAT12
読み:ファットじゅうに
外語:FAT12: File Allocation Table 12

 FATの一つで、FAT領域のクラスター番号を12ビットで管理するファイルシステム(ディスク管理方法)のこと。
目次

概要
 FATは、クラスターリンク情報をテーブルとして持つことを特徴とするファイルシステム(ディスク管理方法)である。
 このクラスター番号を12ビット長で管理するものがFAT12ということになる。

特徴

対応環境
 MS-DOS 1として最初の版登場以来、FAT12に対応している。また、MS-DOS 2まではFAT12しかサポートしていなかった。
 MS-DOS 3からはFAT16に対応したが、対応セクター数が16ビット(65,536個)と少なく、(当時としての)大容量ドライブには対応できていなかった。
 PC-9801では、SCSIでFAT16のフォーマットがサポートされるのは、MS-DOS version 5.xx以降であり、これ以降、次第にFAT16へと移行していった。
 現在ではフロッピーディスクUSBメモリーなどの低〜中容量媒体用として使われている。

クラスター番号
 クラスター間リンクのアドレッシングとセクター数を12ビット単位で管理している。
 FATとして世に誕生したばかりの頃は、処理が簡単な8ビット単位だった。しかしこれでは不足したが、当時として16ビットへの拡張は無駄と判断されたらしく、その中間の12ビットとして作られた。
 その後Windowsでも採用され、ディスク管理の標準的なシステムとして定着した。

補足

制限
 FAT12は実用的な最大容量が20Miバイト程度までという制限がある。
 かつてのPC-9800シリーズ用のSASIハードディスクドライブでは1024バイト単位でセクター管理しており、最大40Miバイトまでを12ビットFATでフォーマットしていた。しかしこの時のクラスター長は16Kiバイトもあり、非常に効率が悪かった。
 またPC/AT互換機のように512バイトセクター環境の場合は、最大でも32Miバイトが限度となる。

PC-9801ハードディスク
 PC-9801でのハードディスクフォーマットは、次の通り。
I/Fフォーマット形式最大容量領域数論理セクター長クラスター長FAT長
SASI標準format20MiB11024バイト8KiB12ビット
拡張format40MiB81024バイト2〜16KiB12ビット
SCSI拡張format2GiB8・16256〜2048バイト2〜32KiB12〜16ビット

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