アキュームレーター
読み:アキュームレーター
外語:accumulator

 累算器、および累算用のレジスター。英発音に近い「アキューミュレーター」や、音引きを略して「アキュムレータ」とも書かれる。
目次

概要
 古い設計のマイクロプロセッサーでは、演算結果を累積するためのレジスターは一つしか提供されないことが多く、このような目的で使う唯一のレジスターがアキュームレーターと呼ばれた。しかし現在においては、演算可能なレジスターが単一などというものはほぼ無く、ゆえにこの意味でのアキュームレーターは、古語ないし死語と言える。
 アキュームレーター(accumulator)ということから、初期のプロセッサーではAレジスターなど、Aと名のついたレジスターとして提供されることが多かった。

特徴

レジスターの方式
 レジスターの使われ方は、次の3種類がある。
 近年はレジスターマシンが主流だが、初期には演算は単一のレジスターに制限されたアキュームレーターマシンが一般的だった。

アキュームレーターマシン
 演算器(ALU)に対応付けられた演算レジスターが、単一のACC(アキュームレーター)レジスターであるような設計を、アキュームレーターマシンという。
 古くは、演算はアキュームレーターと他のレジスターやメモリーとの間で行なわれており、演算結果は常にアキュームレーターに返されていた。
 こういった設計では、値が返されるのがアキュームレーターと決まっているため、アセンブリ言語においてもアキュームレーターをいちいち記載しないものが多かった。
 ADD reg
 この場合、A ← A + reg という演算となり、暗黙のうちにアキュームレーターが使われた。

x86
 現在のパーソナルコンピューター向けプロセッサーの標準であるx86は、8ビットマイクロプロセッサーだった8080の思想を受け継いでいるため、古式なアキュームレーターという概念が垣間見られる。
 8080のAレジスターは、8086では16ビットのAXレジスター(32ビットではEAX、64ビットではRAX)となり、一部の演算命令ではソースまたはデスティネーションがAXやDXなどで固定されているものがあった。現在は命令が拡張されており、x86であってもたいていのレジスターで演算が可能になっている。

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