マスターブートレコード
読み:マスターブートレコード
外語:MBR: Master Boot Record

 ディスクドライブからの起動時、まず最初に読まれるディスクの領域。略してMBR。
目次

概要
 ブートセクターとも呼ばれる、ディスクの物理的な先頭セクター(つまり、シリンダー0・ヘッド0・セクター1)にある。
 PC/AT互換機の場合、標準的には1セクターは512バイトであるため、この512バイトに情報は詰め込まれている。
 コンピューターの種類や、OS、ファイルシステム等により、その構造は異なっている。

特徴

構造
 領域は大きく三つに分けられている。
 

プログラム領域
 オフセット000〜445まではプログラム領域であり、オペレーティングシステム(OS)を読み込み起動させるためのプログラム(ブートストラップローダー)などが書き込まれている。
 使用するOSによって内容を書き換えられるように、このような仕組みになっている。
 但し、MS-DOSMicrosoft Windowsでは、プログラムだけでなく、BPB(BIOS Parameter Block)と呼ばれるOS管理情報テーブルが格納されている。
 同一ディスク内にWindowsとLinux等をインストールし、Linuxをアンインストールした場合、MBRがそのままだとWindowsが正常に稼働しない。このような場合はMS-DOSか起動ディスクで起動し、"FDISK /MBR" というコマンドを実行することで、Windowsの標準のMBRになる。

パーティションテーブル
 一つのボリュームは、複数のパーティションに区切って利用することができる。
 オフセット446〜509までがパーティションテーブルで、一つのテーブルが16バイトで計4エントリある。
 つまり、一台のディスクは(標準的には)最大4パーティションに区切ることが可能ということである。
 なお、このパーティションテーブルは32ビットであり、大容量ドライブに対応することができない。このため、64ビット化されたOSから順次、GUIDパーティションテーブルに移行している。

ブートシグニチャ
 末端にあるブートシグニチャはオフセット510〜511で計2バイト。
 これはMBRが正当なものであることを示すためのデータが書かれていて、これは常に0xAA55である。

起動時
 IBM PC/AT互換機等は、まずBIOSの自己診断機能POSTを実施し、周辺機器を認識した後に、ディスク(フロッピーディスクまたはハードディスク)のMBRを読み込んでOSの起動処理を開始する。
 PC DOSは、元々メモリー32Kiバイト以上を想定して設計されていた。MBRは、その最上位アドレス0x7fffから1024バイト分を引いた0x7c00からに読み込まれ、実行される。
 結果として、0x7c000から0x7dffの512バイトにMBRが置かれ、0x7e00から0x7fffまでの512バイトはブート時に使用されるデータ領域およびスタックに使われた。

再検索