AACで使われるストリーム形式、あるいはファイル形式の一つ。
MPEG-2 AACやMPEG-4 AACで使われる、コンテナーフォーマットの一つと言え、この形式のAACファイルをADTS AACという。
ファイル中、データブロックの区切りごとにADTSヘッダーと呼ばれるヘッダーが挿入される。
ADTSは、ファイルの先頭が0xff 0xf? から始まり、ADTSヘッダーと呼ばれるヘッダーが付けられている。
ADTSヘッダーは7バイト(CRCなし)または9バイト(CRCあり)構成で、次のようになっている。
AAAAAAAA AAAABCCD EEFFFFGH HHIJKLMM MMMMMMMM MMMOOOOO OOOOOOPP (QQQQQQQQ QQQQQQQQ)
- A(12ビット): 同期ワード 0xFFF (常に全ビットが1)
- B(1ビット): MPEGバージョン (0=MPEG-4、1=MPEG-2)
- C(2ビット): レイヤー (常に00)
- D(1ビット): プロテクションの有無 (0=CRC保護あり, 1=CRC保護なし)
- E(2ビット): プロファイル(MPEG-4 Audioの種類) (00=Main、01=LC、10=SSR、11=予備(LTP))
- F(4ビット): MPEG-4サンプリング周波数の番号(後述)
- G(1ビット): プライベートストリーム (0=エンコーディング、1=デコーディング)
- H(3ビット): MPEG-4チャンネル構成 (後述、0の時は、チャンネル構成は帯域内のPCEで送信される)
- I(1ビット): オリジナル (0=エンコーディング、1=デコーディング)
- J(1ビット): ホーム (0=エンコーディング、1=デコーディング)
- K(1ビット): 著作権で保護されたストリーム (0=エンコーディング、1=デコーディング)
- L(1ビット): 著作権の開始 (0=エンコーディング、1=デコーディング)
- M(13ビット): ヘッダー長(7または9)を含むフレーム長
- O(11ビット): バッファー占有量
- P(2ビット): ADTSフレーム内のAACフレーム(RDB)の数
- Q(16ビット): CRC (プロテクションの有無=0の場合のみ)
F(4ビット)に対応するサンプリング周波数は次の通りである。
- 0000 ‐ 96000Hz
- 0001 ‐ 88200Hz
- 0010 ‐ 64000Hz
- 0011 ‐ 48000Hz
- 0100 ‐ 44100Hz
- 0101 ‐ 32000Hz
- 0110 ‐ 24000Hz
- 0111 ‐ 22050Hz
- 1000 ‐ 16000Hz
- 1001 ‐ 12000Hz
- 1010 ‐ 11025Hz
- 1011 ‐ 8000Hz
- 1100 ‐ 7350Hz
- 1101 ‐ 予約
- 1110 ‐ 予約
- 1111 ‐ (周波数が明示的に書かれている場合)
H(3ビット):に対応するMPEG-4チャンネル構成は次の通りである。
- 0: 帯域内のPCEで送信される
- 1: 1チャンネル: 前・中央
- 2: 2チャンネル: 前・左、前・右
- 3: 3チャンネル: 前・中央、前・左、前・右
- 4: 4チャンネル: 前・中央、前・左、前・右、後ろ・中央
- 5: 5チャンネル: 前・中央、前・左、前・右、後ろ・左、後ろ・右
- 6: 6チャンネル: 前・中央、前・左、前・右、後ろ・左、後ろ・右、LFEチャンネル
- 7: 8チャンネル: 前・中央、前・左、前・右、脇・左、脇・右、後ろ・左、後ろ・右、LFEチャンネル
- 8-15: (予約)
LFEチャンネルとは重低音のチャンネルで、いわゆる0.1チャンネルである。
関連する用語
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ADIF