SH-2A
読み:エスエイチトゥーエイ
外語:SH-2A
ルネサスの開発した組み込み用32ビット
RISC
マイクロプロセッサーコアの名で、
SuperH
シリーズの一つ。
SH-2AはFPUなしのタイプであり、FPU搭載タイプは
SH2A-FPU
と呼ばれている。
目次
概要
特徴
仕様
アーキテクチャー
スーパースケーラー
割り込み処理
命令セット
概要
上位ファミリー「
SH-4
」で採用された
スーパースケーラー
方式を採用した、
SH-2
上位互換のマイクロプロセッサーコアである。
このため、1クロックあたり最大2命令を実行できるようになり、処理性能は、クロック1MHzあたり、SH-2の1.3MIPSから1.8MIPSへと高速化された。
マイクロプロセッサーコアは、最大200MHzで動作し、最大で360MIPSとなる。
なお、SH-2Aというのはあくまでもマイクロプロセッサーコアの名であり、SH-2Aという製品はない。様々な周辺回路を実装しパッケージ化したものが実際の製品である。名称は二通りあり、SH72xxというのがグループ名で、この中で仕様に応じてR5x72xxxxxxxxxxという型名が付けられ、製品として販売されている。
現在入手可能なものに、次のようなものがある。
SH7200シリーズ
SH7206 (200MHz)
SH7210シリーズ
SH7211 (160MHz)
(SH7243シリーズ(開発中))
(SH7285シリーズ(開発中))
関連するシリーズは次のとおり。
SH-2
SH2-DSP
SH2A-FPU
SH-Ether
特徴
仕様
32ビット
汎用レジスター
(16本)
32ビット乗算器
32×32→32の乗算
32×32+64→64の
積和演算
16ビットタイマー
ADコンバーター
(10〜12ビット×8チャンネル)
DAコンバーター (8ビット×2チャンネル)
DMAコントローラー
I/Oポート
シリアルコミュニケーションインターフェイス
割り込みコントローラー(INTC)
ウォッチドッグタイマー
(WDT)
ユーザーブレークコントローラー(UBC)
ダイレクトメモリーインターフェイス・バスステートコントローラー(BSC) (SRAM、SDRAM、MPX I/O直結可能)
アーキテクチャー
スーパースケーラー
スーパースケーラー
方式を採用したことで、1クロックあたりで最大2命令を実行できる。
SH-2
上位互換でありながら、同クロック比70%以上の高性能化を実現させた。
割り込み処理
リアルタイム性向上のため、割り込み処理も改善された。
割り込み発生時、従来であればレジスターはソフトウェアがスタックに待避し、処理後スタックから戻す必要があった。対してSH-2Aコアでは、退避用の専用レジスターを用意し、
ハードウェア
で自動待避するようにした。
このため、割り込み発生から実際の処理が開始されるまで、SH-2で37クロックであったところ、SH-2Aでは6クロックに短縮された。
命令セット
命令セットはSH-2の上位互換である。従来の16ビット長命令に加え、新たに32ビット長命令が追加された。これにより、幾つかの命令で12ビットの
ディスプレイスメント付きレジスター間接
と、20ビットの
イミディエイト
が可能となった。
両者は混在するため、命令は16ビット長と32ビット長が混在することになる。
32ビット長命令は、主に最初の16ビットの上位4ビットが0011に追加されているが、MOVI20/MOVI20S命令は上位と下位4ビットが0000…0000と0000…0001となっている。
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