Haswellマイクロアーキテクチャー
読み:ハズウェル-マイクロアーキテクチャー
外語:Haswell Microarchitecture
Intel
製
IA-32
(
x86
)プロセッサーのうち、第4世代/第5世代Core iシリーズ用に開発されたマイクロアーキテクチャー(内部構造)。
Coreマイクロアーキテクチャー
の系統に属する発展形のアーキテクチャーで、
Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャー
の後継である。
目次
概要
特徴
技術
ビデオ機能
低消費電力化
Intel TSX
プラットフォーム
製品
プロセッサーコア
ブランド
補足
名前の由来
アーキテクチャー
概要
IDF2011にて最初の実働デモが実施され、IDF2012にて詳細な仕様が発表、日本では 2013(平成25)年6月2日発売された。
Sandy Bridgeから搭載された
Intel AVX
の改良や、クロック辺りの処理速度向上が特徴である。
Haswellは、ゼロから設計された革新的な製品、としている。特に消費電力の削減幅が顕著で、前世代と比べて消費電力は1/20に減っているとされる。
マルチチップモジュールとして、従来別チップだったPCHが統合されている。
特徴
技術
Haswellでは、次のような機能が搭載されている。
CPU部
Intel AVX2
(新SIMD拡張命令セット)
MMX
機能包含
ストリーミングSIMD拡張命令4.2(SSE4.2)
機能包含
Intel AVX
機能包含
SMT(Simultaneous Multi-Threading)
三階層のキャッシュ
階層化されたTranslation Lookaside Buffer(TLB)
新命令セットIntel TSX(Transactional Synchronization Extensions)
Intel 64
(旧称・EM64T)
インテル ハイパースレッディング・テクノロジー
インテル ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0
GPU部
内蔵グラフィックス機能(iGPU)、GPUをCPUと同一ダイに搭載
3種類のグレード(GT1、GT2、GT3)で提供
周辺部
インテル QuickPath インターコネクト
(QPI)
DDR3 SDRAM
インターフェイス
Thunderbolt
主要な機能はIvy Bridgeから引き継がれ、更に新機能や改良が加えられている。
ビデオ機能
GPUは、ローエンドのGT1とハイエンドのGT3を含めた3種類が提供される。GT3はデスクトップ向けにはなくモバイル向けとされる。
GT1 (6EU)
Intel HD Graphics
GT2 (20EU)
Intel HD Graphics 4600/4400/4200
GT3 (40EU)
Intel HD Graphics 5000 (15W)
Intel Iris Graphics 5100 (28W)
Intel Iris Pro Graphics 5200 (eDRAM)
低消費電力化
従来はマザーボード上に置かれた外部のレギュレーターから全コア共通の電力を供給していた。
Haswellでは、各コアごとに供給電力や
クロック周波数
を設定できるようにするため、パッケージにレギュレーターを内蔵するようになった。
CPUコアごとに電圧を変えることができるため、従来のアーキテクチャーであれば低周波数で動作しているコアと高周波数で動作するコアがある場合、高周波数でも動作する電圧を全体に供給する必要があり無駄が多かった。この改善となる。
Intel TSX
マルチスレッドでの高速化を目的として、メモリーロックを実施せずに複数のスレッドを投機的に処理し、反映する際に他のスレッドによりメモリー書き換えが生じていた時にのみそのスレッドの処理を破棄してやり直す機構。
TSX命令を活用すると、使用しない場合と比して最大6倍の処理能力を実現できるとしており、大規模サーバーなどでは大きな性能向上が期待される。
Haswell世代から導入されたTSX命令は、当初リリースされたクライアント向け(Core iシリーズ等)やサーバー向け(Xeon E5 v3やE3 v3など)製品の
Haswell-DT
から存在したが、エラッタ(不具合)が発見されたため無効化されていた。本格的に有効化されたのは、ハイエンド向け(Xeon E7 v3など)製品の
Haswell-E
からである。
プラットフォーム
LGA1150
製品
プロセッサーコア
Haswellのコアは、
Tick-Tockモデル
に基づき、2種類のプロセスが想定されている。
22nm Haswell (Tock)
Haswell-E
Haswell-DT
14nm Broadwell (Tick)
Broadwell-E
Broadwell-DT
また、後継のアーキテクチャーとして、「Skylakeマイクロアーキテクチャー」を開発中。
ブランド
次のような製品が予定されている。
デスクトップ用
Core i7
Core i5
Core i3
Pentium
サーバー用
Xeon E5
Xeon E3
モバイル用
Core i7
補足
名前の由来
Haswellの由来は不明だが、イギリスの地名にあり、また南極ミールヌイ基地の周辺にハズウェル島という名の島があるようである。
アーキテクチャー
Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャー
→
Haswellマイクロアーキテクチャー
→ Skylakeマイクロアーキテクチャー
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