饂飩
読み:うどん
外語:Udon

 主原料である小麦粉を水で溶いて捏ねて作る、日本の麺類の一つ。
目次

概要
 小麦粉から作る日本の麺類にも様々あるが、「饂飩」という場合は、ある程度の太さや幅を持ったものをいう。
 従って、同様に小麦粉から作る、冷麦素麺などは、一般には饂飩ではない。
 但し、後述する規約・規格・基準等においては、冷や麦や素麺は饂飩の一種に分類されているが、これに「饂飩」と名を付けて売れば消費者が混乱するので、通常そのようなことはされない。

特徴

規格

乾麺
 農林水産省「乾めん類品質表示基準」においては、「干しめん」のうち、長径を1.7mm以上に成形したものを「うどん」と表示できるとしている。
 長径が1.3mm以上1.7mm未満に成形したものは「ひやむぎ」だが、これを「細うどん」と表示することもできるとしている。
 規格では、「干しめん」は次のように分類されている。
 なお、材料に鹹水を用いた場合は「中華めん」となる。

生麺
 生麺については、「生めん類の表示に関する公正競争規約及び公正競争規約施行規則」にて、次のように規定されている。
 この規約で「うどん」とは、ひらめん、ひやむぎ、そうめん、その他名称のいかんを問わず小麦粉に水を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後加工したものをいう。
 従って、様々ある小麦粉麺の生麺は、総じて「うどん」となる。
 但し、同公正競争規約施行規則には併せて、「○○うどん、ひやむぎ、ひらめん、きしめん、ほうとう等一般消費者に誤認されない名称に替えることができる。」と書かれており、商品名に常識の範囲内で他の名を用いることを認めている。

分類

分類方法
 麺料理は多様に分化しており、うどん類もまた同様である。
 大きくは、次の分類方法で分類できる。

麺の種類での分類
 市販時の状態にも様々ある。概ね、太さ、製麺方法、麺状態に分類できる。

太さ
 一般的な分類方法。
 規格による分類方法。
 以下には、いわゆる「ひやむぎ」「そうめん」に分類されるものは記載しない。

製麺方法

麺状態

調理方法での分類

温かい饂飩

冷やし饂飩

その他

具での分類
 具がないものを「素饂飩」または「かけ饂飩」という。
 具があるものは、一般に「○○饂飩」(○○が具の名前)とする(素饂飩以外は50音順)。

地域での分類
 太さや製法、調理方法、食べ方など、その地域色が色濃いものは、地域の名を冠して呼ばれる(50音順)。

補足

ソフトめん
 学校給食で使われている専用の麺が「ソフトめん」である。公正競争規約では「ソフトスパゲッティ式めん」と呼ぶことになっている。
 見た目は「饂飩」だが、麺の太さは市販の生饂飩の半分くらいになっている。前規約でも饂飩とは異なる扱いで、「小麦粉に水を加えて練り合わせ、製めんし表面糊化した後加工したものをいう。」と定義されている。
 業者が蒸し調理しビニール袋に個別包装して学校に納入するのが一般的だが、実際に食べらるまで時間があくために、麺が伸びにくいように強力粉が使われているなど、学校給食の都合に合わせて開発された麺である。
 懐かしい給食のメニューとして必ず名が上がるものだが、「ソフトめん」は粉からして学校給食用のものであるため、今でも「そのもの」は市販されていないとされている。
 似たようなものを一部の麺メーカーが製造して市販しているようである。

関東・関西
 関東では、油揚げの載ったうどんを「きつねうどん」、天かすの載ったうどんを「たぬきうどん」という。
 しかし、これは関西では通じない。
 関西では、「きつね」または「けつね」(うどんは付けない)で「油揚げの載ったうどん」、「たぬき」(うどんは付けない)で「油揚げの載った蕎麦」を表わす。
 つまり、関東の「たぬき〜〜〜」(天かすを載せたうどん/そば)は、大阪のメニューには存在しない。なぜなら、関西では天かすは無料で、好きなだけ自分で掛けられるからである。
 現在は大阪でも多くは「きつね」だが、昔の関西弁では「けつね」と訛って発音されることがあった。上方落語などには今も出てくる。

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