臨界
読み:りんかい
外語:critical
核分裂反応が継続する状態になること。
概要
核分裂反応は、核に中性子が衝突する事で起こる。
分裂した核からは数個の中性子が発生し、それが他の核の核分裂反応を引き起こす。この反応が一定の速度を超えたとき、人為的に中性子を入れずとも核分裂反応が継続することになるが、これを臨界という。
原子炉中のみならず、天然の状態でも臨界になりうる。これを自然臨界といい、濃縮ウランをバケツで容器に大量に投入すれば自然臨界を招く。
特徴
原子炉においては、一定の出力になるよう中性子数を調整しながら臨界を維持することで、一定のエネルギーを得ている。
しかし屋外で臨界となれば、抑制するものがないため、分裂が進むごとに中性子数は増加し核分裂反応は暴走する。結果、核爆発となり、「きのこ雲」となる(こともある)。原子爆弾や水素爆弾は、この臨界を人為的に起こす爆弾である。ただし、このためには核分裂しやすい原子核(ウラン235など)が高濃度である必要があり、一般的な原子炉である軽水炉で使うような燃料(ウラン238が多い)では、核爆発を起こすことはない。
また、バケツでウランを大量に容器へ入れ臨界にした時には、美しい「青い光」が見られる。
きのこ雲にせよ青い光にせよ、見たら最後、生きては帰れない可能性が高い究極の現象である。
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