メタミドホス
読み:メタミドホス
外語:Methamidophos

 有機燐系殺虫剤。農薬。コリンエステラーゼ阻害薬。
目次

物質の情報
 

物質の特徴

安全性

危険性

有害性

環境影響
 環境に有害な場合がある。

物質の性質
 メタミドホスはコリンエステラーゼ阻害薬の一種で、猛毒のサリンと同様の毒性がある。
 コリンエステル類分解酵素コリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン等の分解を阻害する。そのため刺激が止まらない状態となり、結果として痙攣、縮瞳、発汗、骨格筋の麻痺等を経て昏睡、やがて死に至る。

使用状況

規制
 日本では使われていない。
 支那大陸では広く使われているようで、死者も続出しているとされる。
 支那では規制も始まっているようであるが、殆ど効果はないようだ。

冷凍餃子事件

事件
 2008(平成20)年1月、日本に輸入された支那産の冷凍餃子から高濃度で検出され、これを食べた千葉県千葉市稲毛区の母子が中毒症状に陥り、重体患者も出るという事件(毒餃子事件、支那産食品事件)が発生した。
 2008(平成20)年3月31日の報道では、この被害宅に残っていた未調理の餃子の皮や具から、1荳9290ppmもの高濃度メタミドホスが検出された。
 この餃子を6個食べると、体重60kgの成人の致死量を上回る。なお、食品衛生法では、韮の残留農薬基準は0.3ppmであるので、この被害者の食べた餃子は最大で「約6万4000倍」のメタミドホスが含まれていたことになる。
 しかし、実際にはもっと多かった。
 2008(平成20)年5月15日、千葉県警捜査1課の発表によると、この餃子の皮1gから40ppm〜3万1130ppm、具1gから30ppm〜1万6620ppmをそれぞれ検出した、とした。つまりこの皮には、基準の「10万倍以上」が含まれていた。
 国内の成分分析では過去最高値であり、同課はメタミドホスが意図的に混入されたと断定した。支那からの食品輸入の危険性を改めて浮き彫りにした事件であった。
 内閣府食品安全委員会によると、混入量が1個あたり290mgを超えるものもあり、体重15kgの子供であれば一個食べるだけでも致死量に達していた可能性が指摘されている。

その後
 支那当局は2010(平成22)年3月27日、容疑者一人を逮捕した、犯行に使われた注射器2本は下水道から見つかった、従って支那産の食品は安全だと宣言した。
 しかし、これだけの規模の事件が単独犯しかも注射器で挿入ということは考えにくい。
 そもそも、メタミドホスは水溶性であり、2年間も下水道にあって、そのまま残っていることは全く考えられない。
 従って、この報道は、輸出激減に困り果てた当局が発したデタラメ、つまり虚報であると考えられる。

その他の食品
 なお、支那から輸入された食品では冷凍餃子に限らず、ライチ蕎麦粉など、ありとあらゆるものから検出されている。
 2008(平成20)年2月19日には冷凍食品の肉まんから検出されている。

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