クロイツフェルト・ヤコブ病
読み:クロイツフェルト-ヤコブびょう
外語:CJD: Creutzfeldt-Jakob disease
プリオン病の一つで、人間の海綿状脳症の一種。牛海綿状脳症(BSE; いわゆる狂牛病)に似た人間の脳の病気。
概要
プリオンを病原体とし、脳に海綿状の変化が出現してスポンジ状になる神経系の難病である。病原体のプリオンはBSL-3(バイオセーフティーレベル3)に分類される。
発見者の名前からクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD: Creutzfeldt-Jakob disease)と呼ばれている。
感染経路は、次の3種類が考えられている。
- 孤発性(特発性であるもの)
- プリオン蛋白遺伝子の変異による遺伝性であるもの
- 家族性CJD
- ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)
- 致死性家族性不眠症(FFI)
- 他からのプリオン感染によるもの
区別
単に「クロイツフェルト・ヤコブ病」と言った時は孤発性、つまり外来よりの要因のないものをいう。
昨今問題となっている、牛海綿状脳症(BSE)感染牛を食べての感染は変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)と呼び分けられている。
病状
脳に異常な蛋白質(プリオン)が蓄積し、このために脳の機能が障害(障礙)される。
脳が冒されるため、その病状進行に伴った病態となる。抑鬱や不安などの精神症状に始まり、やがて痴呆を発症、進行に伴い運動失調など来し、発症後は1〜2年以内に脳の大部分が冒されて、衰弱や呼吸不全等で死亡する。
臨床病期は次の3期にわけられている。
- 第1期: 倦怠感、ふらつき、めまい、視覚異常、記憶力の低下や物忘れ、統合失調症
- 第2期: 認知症が更に重度・顕著となり、不随意運動ミオクローヌスを呈したり、また会話、意思の疎通、歩行などができない状態となる
- 第3期: ミオクローヌスがなくなる代わり運動失調(無動無言状態、除皮質姿勢(除皮質硬直)、屈曲拘縮など)を呈する。感染症であれば余命は1〜2年である
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