アノマロカリス
読み:あのまろかりす
外語:Anomalocaris

 カンブリア紀最強の捕食者だった大型捕食動物。「anomalo-」(奇妙な)+「caris」(エビ)から、アノマロカリスと命名された。このため太古のエビとも呼ばれる。
目次

情報

分類
 ▼はAPG分類法における階層で、従来の階級にないもの。

特徴

形態
 古生代カンブリア紀の海中で生息していた捕食性動物である。
 バージェス動物群としてバージェス頁岩(約5億500万年前の地層)から発見されたものが、アノマロカリス属の模式属(群の代表)として扱われている。
 これより少し古い地層の澄江生物群からもアノマロカリス属と思しき種の化石が見つかっているが、一方、これより新しい地層からは殆ど見つかっていない。
 体長1m前後もあったこの大型生物は、バージェス動物群の中でも最大級である。

生態
 「輪切りのパイナップル」に喩えられる、ペユトイア(旧称ラガニア)と同様の典型的な「ペユトイア口」を持っている。
 かつてはこれを用いて、三葉虫などを捕食していたと考えられていた。
 しかし研究が進むと、アノマロカリスの口はアノマロカリス類の中では比較的小型であり、硬い甲羅のような構造をもっていた三葉虫などを捕食するには向いていないことなどから、より柔らかい動物が主食だったとする学説が優勢のようである。また、好物はプランクトンだった種もあったとする学説も存在する。

絶滅
 カンブリア紀の前期から中期には大きく繁栄していたが、やがて絶滅、カンブリア紀後期以降は殆ど化石が見られなくなる。カンブリア紀は全般通して気候は温暖だったとされており、地球環境に大きな変化が見られないことから、その理由は不明である。
 ただカンブリア紀で完全に絶滅したわけではなく、約1億年後のデボン紀の地層から全長2mにもなるアノマロカリス類が発見されており、細々と生存はしていたようである。

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