Celeron
読み:セレロン
外語:Celeron
Intel
の開発した
IA-32
プロセッサーで、低価格シリーズ。1998(平成10)年発売。
目次
経緯
経緯
初代
二度目の正直
モバイル用
その後
特徴
プロセッサーコア
デスクトップ用
モバイル用
経緯
Pentium II
の時代から登場した。
紆余曲折を経ながらも、現時点においてもなお、最もローエンドのブランドとして提供が続いている。
経緯
初代
初代の
Covington
(コヴィントン)コアの製品は、
Pentium II
(
Klamath
コア)から
2次キャッシュ
を省いたものとして登場した。
当時のIntelは、新アーキテクチャーの製品を投入した後、旧アーキテクチャーの製品を大幅値下げすることで、安価だが性能も劣っていた競合他社の互換製品への対抗としていた。しかし、AMDのK6やCyrixの6x86MX、IDTのWinChip C6など、性能が大きくは劣らないが低価格なサードパーティー製マイクロプロセッサーが続々登場するようになると、旧アーキテクチャー製品の値下げでは対抗が難しくなってきた。
そこで、メーカーやユーザーが互換品に流出し続けるのを食い止めるために、現行のマイクロアーキテクチャー製品を用いて急遽開発された廉価製品だった。
製品自体の値段は確かに低価格だったが、マザーボードなども含めたトータルコストで割高になり、またキャッシュを省いた影響で266MHzのCeleronが旧世代のMMX Pentium 233MHzに対してすら負ける場面もあって、マニアからは「駄作」や「失敗作」、Macintosh派などからは「セロリ」など意味不明かつ下品な罵倒も飛び出した(ちなみに当時のMacintoshのCPUは
680×0
)。
二度目の正直
さすがに遅すぎることはIntel自身も分かっていたらしく、続けてコアクロックと同じ速度で動く128Kiバイトの2次キャッシュを内蔵した、第二世代のCeleron、開発コードネーム
Mendocino
(メンドシノ)が登場した。
この新しいCeleronによって互換チップへの流出を食い止めることは出来たが、Pentium IIに対して完全下位互換であったために、パソコンメーカーは同じマザーボードでマイクロプロセッサーだけを変えたラインナップ、すなわち「安いPentium II」としてCeleronを扱った。
こうして低価格路線を取るIntelの動きに対し、互換CPUの製造メーカーのうち、CyrixとIDTはVIAに買収、RISEは完全撤退し、互換CPUを製造するのはAMDのみとなった。そのAMDが
Athlon
をリリースするまで、Intelの一人天下が復活したのである。
モバイル用
Celeronは単なる廉価版というだけではなく、モバイル用の製品としての活路を見出そうとしていた。
基本的には、廉価な製品とするためにデスクトップ用とモバイル用で同じマイクロアーキテクチャーが用いられていたが、
Pentium 4
用の
NetBurstマイクロアーキテクチャー
は消費電力が高すぎモバイル用としては使えなかったため、このときはモバイル専用の別のマイクロアーキテクチャーが開発された。そのためこの時代は、デスクトップ用が「Celeron D」、モバイル用が「Celeron M」となっていた(上位製品であるPentiumも同様)。
モバイルにも使用できる
Coreマイクロアーキテクチャー
に移行してからは、再びアーキテクチャーは共通化され、製品ブランド名も「Celeron」で共通化した。
その後
その後も、Celeronはメインストリーム製品に対する廉価版としての位置付けが維持された。
現在のバリュー製品としてのCeleronは、
Core i3
の下に
Pentium
があり、Pentiumの更に下にCeleronがあるという位置づけの、ローエンド製品に用いられるブランド名となっている。
このような経緯から、Celeronには様々な世代の製品が存在する。
特徴
プロセッサーコア
デスクトップ用
Pentium II、Pentium III世代 (P6マイクロアーキテクチャー)
Covington
Mendocino
Coppermine-128K
Timna
(キャンセル)
Tualatin-256K
Pentium 4世代 (
NetBurstマイクロアーキテクチャー
)
Willamette-128K
Northwood-128K
Celeron D
(NetBurstマイクロアーキテクチャー)
Prescott-V(Prescott-256K)
CedarMill-V(CedarMill-512K)
Core 2世代 (
Coreマイクロアーキテクチャー
)
Conroe-L
Conroe-CL
Allendale-512K (Celeron Dual-Core)
Wolfdale
Nehalem 世代 (
Nehalemマイクロアーキテクチャー
)
Clarkdale
Sandy Bridge 世代 (
Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャー
)
Ivy Bridge 世代 (Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャー)
モバイル用
Mobile Celeron (P6マイクロアーキテクチャー)
Dixon-128K
Coppermine-128K
Tualatin-256K
Mobile Celeron (
NetBurstマイクロアーキテクチャー
)
Northwood-256K
Celeron M
(Banias/Yonah)
Banias-512K
Dothan-1M
Dothan-512K
Core世代 (
Coreマイクロアーキテクチャー
)
Yonah-512K
Yonah-1M
Merom-1M
Merom-2M
Merom-L
Celeron Dual-Core世代 (
Coreマイクロアーキテクチャー
)
Merom-2M
Penryn-L
Nehalem 世代 (
Nehalemマイクロアーキテクチャー
)
Arrandale
Sandy Bridge 世代 (
Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャー
)
Ivy Bridge 世代 (Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャー)
再検索