Athlon
読み:アスロン
外語:Athlon
AMD
の開発した、Intel互換マイクロプロセッサーのブランド。
目次
概要
技術
バス
1GHz
互換性
ラインナップ
コア
製品
特徴
K7
K75
K76
Thunderbird
Athlon XP/MP向けシリーズ
Athlon 64/X2向けシリーズ
Athlon II(Phenom II)ベース
Athlon II(APU)ベース
Athlon (Kabini)
概要
AMDの第7世代x86互換プロセッサーとして登場したのが初出である。
初期型のAthlonの他に、拡張された
Athlon XP
、XPをマルチプロセッサー化した
Athlon MP
などがある他、派生製品として廉価版の
Duron
や、Duronの後継
Sempron
などがある。
それまでのAMDの互換プロセッサーは、Intelとソケット互換であった。しかしIntelが特許で固めた
Slot 1
や関連のソケットを採用したことを受けて、Athlon以降はソケット互換ではなくなった。
技術
バス
Intelのバスが特許の塊になってAMDが利用不可能になってしまったことから、初期型のAthlonからは独自のバスが採用された。
具体的には、DECがAlphaプロセッサー用に開発した
EV6バス
を採用している。
1GHz
互換含めたx86プロセッサーとして初の動作クロック1GHzオーバーの製品が投入されたのも、Athlon(開発コードネームK75)だった。
互換性
x86のソフトウェアを使用できるソフトウェア互換のプロセッサーであるが、ハードウェアとしては殆ど互換性がない。
従って、マザーボードや電源装置なども、Intel用のものとは別に、専用に対応したものを使用する必要がある。
ラインナップ
コア
CPUコアの開発コードネーム。
初期のシリーズ
K7
K75
K76
Thunderbird
(サンダーバード)
Athlon XP向けシリーズ
Corvette (コルベット) (※これは発売されず、次のPalominoに改名された)
Palomino (パロミノ) 初代Athlon XPコア、第4世代Athlon
Mustang (マスタング) (※これは発売されなかった)
Thoroughbred (サラブレッド) 0.13μmプロセス、第5世代Athlon
Barton (バートン) Thoroughbredの2次キャッシュを倍増した、同じく第5世代Athlon
Thorton (ソートン) Bartonベースだが2次キャッシュはThoroughbredと同じ、同じく第5世代Athlon
KabiniコアAPU
Jaguar
製品
Athlonブランドを冠された、主要な製品は以下のとおり。
デスクトップ向け
Athlon
Athlon XP
Athlon MP
(SMP対応のAthlon XP)
Athlon 64
Athlon 64 FX
Athlon 64 X2
Athlon X2
Athlon II
Athlon Neo
Athlon II Neo
Athlon (AM1プラットフォーム)
モバイル向け
Mobile Athlon 4
Mobile Athlon XP
特徴
K7
K7
は、初期型Athlonの開発コードネーム。
0.25μmプロセスで製造され、CPUコアの動作クロック500MHz以上。128Kiバイトの1次キャッシュ(命令・データ各64Kiバイト)、512Kiバイト〜1Miバイトの
2次キャッシュ
を搭載した。
性能は、同時期の
Pentium III
と拮抗しており、整数演算性能はほぼ互角だったが、浮動小数点演算性能はK7の方が優れていた。
Intelとハードウェアの互換性はないが、殆ど全てのパーツは流用されており、部品数をむやみに増やすべきでないというPCベンダーからの要望を汲み入れ、かつ量産効果によるコスト削減も狙われている。
例えばスロットは、IntelのSlot 1を逆向きにして誤挿入を防止した「Slot A」が採用された。
K75
K75
は、0.18μmプロセスにシュリンクした製品。
CPUコアの動作クロック550MHz以上で、最大で1GHzの製品が投入された。1GHz台に到達したのは、x86互換プロセッサーとしては業界初である。なお、1GHz動作K75の開発コードネームは「Magnolia」だった。
但し、CPUコアに対して、コア外に搭載されていた2次キャッシュのSRAMは動作が遅く、動作周波数はCPUコアの1/2から1/3程度だった。
K76
K75がアルミ配線であるのに対して、銅配線で製造されたものがK76である。
但し性能差がないため、K75と殊更に区別されることはなかった。
Thunderbird
Thunderbird
は、CPUコアはK75をベースに、2次キャッシュをコアに統合してCPUコアの動作クロックと等速動作を可能とした製品である。
コア外にキャッシュを置く必要がなくなったことから、「Socket A」対応のソケット型パッケージに戻されている。FSBは、初期型が200MHz、後期型が266MHzであった。
Athlon XP/MP向けシリーズ
Athlon XP、Athlon MP、用およびMobile Athlonシリーズ用として登場したシリーズである。
実際に製品として登場したCPUコアは、次の4種類である。
Palomino (パロミノ) 初代Athlon XPコア、第4世代Athlon
Thoroughbred (サラブレッド) 0.13μmプロセス、第5世代Athlon
Barton (バートン) Thoroughbredの2次キャッシュを倍増した、同じく第5世代Athlon
Thorton (ソートン) Bartonベースだが2次キャッシュはThoroughbredと同じ、同じく第5世代Athlon
Athlon 64/X2向けシリーズ
64ビット対応した一連の製品シリーズである。
Athlon II(Phenom II)ベース
Athlon IIは、Phenom IIをベースに、3次キャッシュを削除した製品シリーズである。
Athlon II(APU)ベース
AMD Fusion APUのCPUコアを用いたSocket FM1版のAthlon IIである。
APUとは違ってGPUを内蔵していないため、別途ビデオカードが必要である。
製品名は継承しているが、従来とは内部構造が大幅に違っており、別系統のCPUであるといえる。
Athlon (Kabini)
APUベースのAthlon IIに続き、KabiniコアAPUベースのソケット式APU「Athlon」も製品化された。
Kabiniは、「Jaguar」アーキテクチャーのCPUコア、「GCN」アーキテクチャーのGPUコア、各種I/Oを統合したSoC型APUであるが、これをデスクトップPC向けにソケット式のAPUとして提供するものである。
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