電子ボルト
読み:でんしボルト
外語:eV: electron volt

 エネルギーの単位の一つ。物理学では、素粒子質量を表わす単位としても使われる。
目次

概要
 1V電位差がある自由空間(=電場)で、電子一個が得られる(加速される)エネルギーを1とする単位。
 記号は「eV」を使う。
 実際には、k(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)程度までのSI接頭語を付けて使われることが多い。

特徴

定義等
 特殊相対性理論により、質量とエネルギーは可換であるため、量子論の分野では質量の単位、時に温度の単位として使う。
 E=mc2なので、m=E/c2で質量に換算できるのである。従って、素粒子などのスケールの話では、質量はおおむねeVで書かれている。
 国際単位系ではエネルギー・仕事量・熱量の単位は「ジュール」を使うが、次のように定義される(括弧内の2桁は標準不確かさ)。
 現在は、SIの定義が使われている。

物理学
 この単位は、X線より高エネルギー(短波長)の電磁波のエネルギーを表わすときによく使われている。
 素粒子物理学の世界では、前述のように素粒子の質量をeVで表わしたり、あるいは温度を表わすのに用いる。

可視光
 電磁波の例では、波長λをnm単位、エネルギーEをeV単位で表わすと、E=1240/λの関係がある。
 すなわち可視光線光子は1.6〜3.2eVのエネルギーを持つことになる。
 電気製品に多用されている発光ダイオード(LED)が僅か数ボルトの電圧で発光するのは、このような理由による。

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