排泄
読み:はいせつ
外語:excretion
生物が、老廃物等(不要であるか、または有害・有毒であるもの)を体外に出すこと。なお、泄の字が常用漢字から漏れたため、学術的には排出と書かれる。
概要
定義
排泄そのものは、学術的には定義されていないようである。生物は、食物や養分などを体外より得る。不要物は体外に出すが、これを一般に排泄という。
但し、汗や屁といった単発的ないし特定状況においてのみ出される場合は、あまり排泄とは言われない。体内に一定量が蓄えられ、それが一定量まとめて定期的に体外に出される場合を、排泄ということが多いようである。
なお、出すこと(放出すること)自体に何らかの目的がある場合、これは分泌といい排泄とは区別される。しかし、その線引きは難しいことも多い。
種類
哺乳類は、糞と尿の二種類が排泄され、人間のものの場合は大便、小便とも呼ばれる。
この二種類は、固さや液体かどうかで判断しているのではなく、排泄する場所で区別する。哺乳類の場合、この二種類は排泄場所が明確に違うため、明確に区別可能である。
一方、鳥類や昆虫などは、体の構造から排泄口が一つしかないため、大便・小便の区別はない。従って、これは単に「排泄物」または「糞」(ふん)と呼ぶ。
鳥や昆虫の場合、小便相当を運ぶ管が腸管に開口し便と共に出す。考え方を変えれば、大便をする構造は持つが小便をする構造を持たないため、鳥や昆虫は小便をしないともいえる。
特徴
植物
植物は、根より水と養分を得る。
不要な水分は葉より放出されるが、それ以外の物質を外部に放出する機構は持っていない。
不要物を特定の葉に集めて枯れ葉として落とすとする説もあるが、一般には無害な塩として体内に蓄えられる。
昆虫
昆虫の場合、尿はマルピーギ管で作られるが、尿管の開口位置は腸の後ろであるため、糞と共に排泄される。
ちなみに、蝉の小便として知られる液は、樹液から必要な栄養分を取った残りの水分である。このため、これは尿というよりは、むしろ便と呼ぶべきである。
哺乳類
哺乳類は、二つの系統で体外に不要物を排泄する。
口より得た食物から栄養を吸収し、その残滓を腸管の微生物と共に体外に排泄する糞(大便)と、吸収された物質が体内を巡り、腎臓より作られ体外に排泄される尿(小便)とに分けられる。
糞は、腸で吸収できなかった食品の残滓が主で、その他に腸内細菌などが含まれる。この残滓は、腸内細菌にとっては益であるため、「糞は排泄物ではない」なる不思議な論説もあるらしいが、その哺乳類自体には不要であり排泄する以上、糞は排泄物以外の何者でもないだろう。
再検索