抗利尿ホルモン |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質名・生体物質編 (NSUBNBL) |
読み:こう-りにょうホルモン |
外語:ADH: anti-diuretic hormone |
品詞:名詞 |
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概要 |
基本情報 |
抗利尿ホルモン
誘導体、関連物質の例 |
医薬品としてよく使われるのは、デスモプレシンの酢酸塩である。
デスモプレシン酢酸塩
特徴 |
9つのアミノ酸からなるペプチドである。
機能 |
抗利尿ホルモンは視床下部で作られ、脳下垂体の後葉に貯蔵される。またバソプレシンの異名があり、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる作用も持っている。
このホルモンは腎臓内のネフロンの一端である集合管に作用し、ここでの尿の濃縮を調整し、作られる尿量を減らす。年齢性別を問わず、生涯必要なホルモンである。
夜間(睡眠中)は昼間(覚醒時)と比べて抗利尿ホルモンの分泌が二倍程度に増加し、尿量を昼間の60%〜70%程度にまで減らす。
新生児では殆ど分泌されないため、結果として睡眠中も尿が大量に作られて夜尿症(おねしょ)をすることになるが、ある程度成長するとホルモンが働くようになり、おねしょをしなくなる。
先天異常 |
遺伝病でこのホルモンが先天的に欠乏していると中枢性尿崩症という病気となる。またホルモンが正常でも、何らかの理由で尿細管機能に作用しない場合は腎性尿崩症となる。
これら尿崩症では尿濃縮力に障害が生じ、もって身体に必要な水分まで尿として排出してしまうため、口渇や多飲、多尿を来す事になる。
その他 |
腎機能が障害されたり、あるいは高齢者では、抗利尿ホルモンの量は正常であっても腎臓での濃縮力が弱まるため、睡眠中に生成される尿量が減少しない。
リンク |
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