はくちょう座方向に見られる恒星の一つで、白色超巨星。アラビア語で「(雌鶏の)尻尾」の意。星座図では白鳥の尻尾の位置に存在する。はくちょう座α星(α Cyg)、50番星(50 Cyg)。
- 座標(2000年分点)
- 赤経: 20h 41m 25.91514s (ICRS)(SIMBAD) [可視光]
- 赤緯: +45°16′49.2197″ (ICRS)(SIMBAD) [可視光]
- 銀経: 84.28473053° (SIMBAD)
- 銀緯: +1.99754540° (SIMBAD)
- 所属:
- 距離
- 約1400〜1800光年 (ヒッパルコス)
- 年周視差(π): 2.29±0.32mas (ヒッパルコス)
- 赤方偏移: z=-0.000016±0.000001
- 伴星: (該当資料なし)
- 規模
- 年齢: (該当資料なし)
- 絶対等級(MV): 約-7等
- 等級 (脈動変光星)
- 紫外線等級(U): 1.11等
- 青色等級(B): 1.34等
- 黄色等級(V): 1.25等
- 赤色等級(R): 1.14等
- 赤外線等級(I): 1.04等
- J等級(J): 0.95等
- H等級(H): 0.87等
- K等級(K): 0.88等
- スペクトル分類: A2Ia (白色超巨星)
- 色指数
- 視線速度(RV)=後退速度
- -4.90km/s(-4.2km/cBeat)±0.3km/s(0.3km/cBeat) (SIMBAD)
- みかけの後退速度: -4.8km/s(-4.1km/cBeat) (z=-0.000016から計算)
- 実際の後退速度: -4.8km/s(-4.1km/cBeat) (z=-0.000016から計算)
- HD 197345
- HIP 102098
- HR 7924
- 2MASS J20412592+4516491
アラビア語で「雌鶏の尻尾」を意味する<THAL><NOON><BEH> <ALEF><LAM><DAL><JEEM><ALEF><JEEM><TEH MARBUTA> (dhanab al-Daj〓jah)の中で尻尾を意味する<THAL><NOON><BEH> (dhanab)が由来である。
はくちょう座に限らず、かつてはわし座、くじら座、いるか座など鳥に限らず星座図で尻尾にあたる星がよくデネブと呼ばれていた。
2016(平成28)年、IAU(国際天文学連合)で恒星の適切な固有名詞を標準化することになり、Denebの名は、はくちょう座α星であるこの星でのみ承認している。
1等星の中ではそれほど明るい星ではないが、他の1等星と比べるとずば抜けて遠く、実際の明るさ(絶対等級)は他の1等星とは比較にならない。
実視等級50位以内の恒星の絶対等級としては堂々の一位である。
距離が遠く年周視差が小さいことから正確な距離が導けない状態で、従来は3,200光年程度とするのが通説だった。
古い資料では年周視差1.01±0.57masとされているが、ヒッパルコス衛星の観測により2.29±0.32masとなり、概ね1400光年前後ということが判明した。
地球の歳差運動により、8000年後には北極星になる。
関連するリンク
* alf Cyg -- Evolved supergiant star @ SIMBAD用語の所属
はくちょう座
夏の大三角
1等星
関連する用語
北極星