種子島ゴールデンラズベリー賞
読み:たねがしま-ゴールデンラズベリー-しょう
外語:The Tanegashima Golden Raspberry Award

 種子島発宇宙行きロケットの発射における諸事について、宇宙作家クラブ(SAC)から与えられる不名誉な賞の名。
 名の語源は映画の賞で、アカデミー賞の逆に駄作に与えられる賞の名「ゴールデンラズベリー賞」から取られた。
目次

概要

賞の種類

表彰の順番
 現在は6名(物についてはその責任者を1名とする)が受賞している。
  1. 2001(平成13)年8月: 第一回ゴールデンラズベリー賞 (H-IIA・F1)
  2. 2002(平成14)年2月: 第二回ゴールデンラズベリー賞 (H-IIA・F2)
  3. 2002(平成14)年12月: 第一回準ラズベリー賞 (H-IIA・F4)
  4. 2006(平成18)年12月: 第一回特別賞 (H-IIA・F11)
  5. 2007(平成19)年9月: 第三回ゴールデンラズベリー賞 (H-IIA・F13)
  6. 2009(平成21)年9月: 第四回ゴールデンラズベリー賞 (H-IIB試験機)

歴代の受賞者
 現時点では二名と二作の受賞がある。第二回受賞以降、長く受賞者は出なかった。そこで三回目以降は人の発言ではなく物などが受賞している。

第一回
 第一回はH-IIAロケット試験機1号機の際に、「どうなったら成功といえるのでしょうか」を繰り返した、NHK鹿児島の取材班の一人、通称「成功君」の発言「例えばLREからの信号が受信できなかったらとか」が受賞した。
 そもそも、LREは信号を出さない。

第二回
 第二回はH-IIAロケット試験機2号機の際に、群を抜いて電波な発言をした、やっぱりNHK鹿児島の取材班の一人の発言「リレーって何ですか」が受賞した。
 リレーは非常によくある部品の一つだが、それを知らずに科学技術の結晶の記者会見の場に姿を現わすなど、普通なら恥ずかしくてできない行為だろう。この発言は、今も伝説となっている。
 おそらくこの記者は、何を質問したら良いのかも理解できていなかったのでは無かろうか。

第三回
 受賞対象の選定基準等は不明だが、記者の質が上がり妄言がなくなってしまったことから、第三回目は記者の発言ではなく、物となった。
 第三回はH-IIAロケット13号機の記者会見第一部の最後、フォトセッションの開始宣言と共に、バックの青カーテンが開かれた。その壁は、白地にJAXAと三菱のロゴマークが交互に描かれるものであった。
 ここで三菱社長、JAXA副理事長、宇宙開発委員長が写真撮影に応じたが、この壁紙はセンスが無く、よろしくないとして、種子島ゴールデンラズベリー賞が進呈されたようである。
 「きくはちぞう」の時は「特別賞」とされたが、今回は特に特別賞とも第三回とも明言がない。便宜的に、ここでは第三回とする。

第四回
 今回も記者の妄言はなかったようである。
 第四回はH-IIBロケット試験機の打ち上げに際する「JAXAの打ち上げ中継‐特にリフトオフ直後の真っ白画面」に対して贈られた。
 マンネリ化しつつあるネット中継だが、今回は初の夜間打ち上げとなり、さらに打ち上げ直後が真っ白で何も見えないという、かつてない斬新な中継が高く評価された。
 今回もまた特別賞とも第四回とも明言がない。便宜的に、ここでは第四回とする。
 第四回については「次点」があり、「ネット中継において打ち上げ後に流れたジェット音」とされた。現地では全く聞こえなかったが、ネットでは盛大な音が響いたとされており、その音の正体は謎とされている。

準ラズベリー賞の受賞者
 シルバーラズベリー賞とも呼ばれている、準受賞者。

第一回
 第一回はH-IIAロケット4号機の際に、既にプレスキットに入れてあった資料を見もせずに「よこせ」と要求した、共同通信社の吉村記者、通称「誠実君」の発言「誠実に答えてくれませんか」が受賞した。

特別賞の受賞者
 準ラズベリー以降、長く受賞者が出なかったため、技術試験衛星VIII型「きく8号」を打ち上げたH-IIAロケット11号機の際に登場した。

第一回
 特に第一回とはされていないが、便宜的にこうする。
 受賞者は「きくはちぞうのマスコット人形を作った人」であった。
 「きくはちぞう」とは、きく8号のマスコットキャラである。特にこのイラストは、毒味も特徴もなく、出来栄えはお世辞にも良くなかったため関係者には不評だったとされる。
 しかし、きくはちぞうの人形は出来栄えが良かったことから、「ラズベリーの危機を救った」として特別賞が授与された。
 つまり、受賞したのは良い仕事をした人形作成者であり、ラズベリーであるのはイラスト作成者ということになる。

再検索