相変化メモリー
読み:そうへんかメモリー
外語:PRAM: phase-change RAM

 相変化で情報を記録するメモリー。不揮発性メモリーの一つ。
目次

概要
 カルコゲンを構成成分とする合金であるカルコゲナイドを記憶素子として使うメモリーである。
 カルコゲナイドは加熱と冷却で結晶相(結晶状態)とアモルファス相が遷移する性質がある。また、結晶相では抵抗値が低く、アモルファス相では抵抗値が高いという特徴があり、これを利用して状態を電気的に読み取ることが可能である。
 そして、試作の段階を終え、現在ではDRAM並の容量を持った製品が市販されている。

特徴

書き込み速度
 相変化させるには数十nsから数百nsの時間を要する。
 これはDRAMなどと比較すると遅いが、フラッシュメモリーなどと比較するとはるかに高速であることから、現在の主流であるNAND型フラッシュメモリーを置き換える次世代の不揮発性メモリーとして改良が進められている。

集積密度
 一つのメモリーセルは、カルコゲナイドで作られた記憶素子と、セルを選択するための素子(トランジスタまたはダイオード)で構成される。
 この構造は、キャパシターとセル選択素子で構成されるDRAMとほぼ同様であり、DRAMと同様の面積で同様の記憶容量を実現できる。
 またダイオードならトランジスタよりも小型に作ることができることから、DRAMを越える集積密度も実現できる。

耐熱性の難点
 相変化メモリーは、加熱と冷却で相変化させて記録するので、温度変化に弱い。
 一般的なカルコゲナイドの素材は2-2-5と呼ばれるGe2Sb2Te5で、85℃で保証10年といった製品があるが、これを100℃で煮沸すれば恐らく故障する。
 耐熱性を高め、90℃ならほぼ無限、200℃程度で10年保証と、燃やさない限りはデータが保持されうる製品もHynix Semiconductorによって開発されている。この高耐熱性の素材については詳細は定かではない。

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