フラッシュメモリー
読み:フラッシュメモリー
外語:Flash memory

 不揮発性メモリーの一つで、電気信号で内容変更ができるPROM(EPROM)、つまりEEPROMの一種。そのため基本的にはEPROMと同じ構造を持つ。
目次

概要

機構
 フラッシュメモリーの構造は、一例として、p型半導体でできたFETの上にフローティングゲート、コントロールゲートが乗る。
 情報はこのうちフローティングゲートへ電子を注入することで書き込み動作とする。また、この電荷がソースに抜けると、セルは電気的に消去されたことになる。

不揮発
 
 電源を落としてもデータが失われない不揮発性メモリーであり、かつ低消費電力を利点とする。
 この部品は消耗品だが、書き換えられる回数は数万〜数十万回程度が限界と、寿命は短い。常時更新のあるような情報の保存には向かず、ある程度書き換えの行なわれない情報を保持するのに利用される。
 また、半導体メモリーでありながらアクセススピードが遅いという弱点がある。最近のものではかなり改善が進んでいるが、以前のものはハードディスクよりも遅かった。

特徴

主な用途
 不揮発性メモリーであるため、電子計算機BIOSや、装置のファームウェア等の格納用として広く使われている。
 また、高速なフラッシュメモリーを用いたディスクドライブとしてSSDなども実用化されている。

回路構成
 フラッシュメモリーは、内部の基本回路構成により「NOR型フラッシュメモリー」と「NAND型フラッシュメモリー」とに分けられる。
 NOR型は1バイト単位で書き込みが可能で、機器のパラメーター保存などに向いているが、速度は遅く、大容量化にも向いていない。
 NAND型はブロック単位でしか書き込み出来ないが、NOR型より高速で、大容量化にも向いている。
 現在、民生用製品に用いられているものは、殆どがこのNAND型フラッシュメモリーとなっている。

EEPROMとの差
 EEPROMは、従来の紫外線により消去されるUV-EPROMに代わって使われるようになった部品である。
 EEPROMは1ビットあたり2トランジスタで回路が構成されるが、フラッシュメモリーでは1トランジスタでこれを済ませている。
 また、EEPROMは1バイト単位での消去や書き込みに対応するが、非常に遅いという弱点がある。フラッシュメモリー、特にNAND型では、消去は8Kiバイト、16Kiバイト、といったブロック単位でしかできな代わり内部構造が簡略化され、高速、大容量化を実現している。

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