畸形児
読み:きけいじ
外語:畸形孩子

 遺伝子や発育環境などを原因に発生する、個体が本来許容できる範囲を越えた形態的な変異・異常を伴って産まれてきた子供のこと。奇形児。
 なお、「畸」の字が常用漢字から漏れたため、現在は「奇形児」と書くのが正しいとされている。
目次

概要

原因
 原因は先天異常である。
 先天異常の原因は染色体や遺伝子に起因するものが20〜30%で、その発生原因には母体側の要因、感染、外因によるものがあるとされる。
 催畸形性の外因には、母体の疾患(糖尿病などを含む)、ウイルス等への感染(風疹AIDSなど)、物理的要因(放射線被曝など)、薬剤(抗生物質、抗悪性腫瘍剤、サリドマイドビタミンA誘導体など)があるとされる。
 それ以外の60〜70%については、原因不明とされる。

差別用語
 差別用語であるとして、NHKでは放送禁止用語に指定している。
 代替用語として「肢体に不自由な子供」などがある。
 しかし、畸形児をこのように表現して、本人や周囲が救われるのかは、甚だしく疑問である。

現代医療
 現在、日本の医療は高度に進化し、超音波検査(エコー検査)などによる出生前診断の進歩とともに、人工妊娠中絶が可能なうち(妊娠21週目まで)に胎児の異常が診断可能となった。
 かくして異常と分かった胎児をいかに扱うかという点について、倫理面での対立が起こっており、解決を見る日は来ないものと考えられている。

特徴

発生率
 日本においては、新生児畸形は出生1000あたり6〜7人とされる。
 このうち、口蓋裂、口唇裂、無脳症がそれぞれ、1000分娩中1.0〜1.3件程度あるとされる。

要因と時期
 母体感染と対応する先天異常については、幾つかの対応例が示されている。
 臓器ごとに影響を受けやすい時期も示されており、次のようになっている。

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