燐酸オセルタミビル |
辞書:科学用語の基礎知識 薬学・一般薬編 (BPHARI) |
読み:リンさんオセルタミビル |
外語:Oseltamivir phosphate |
品詞:名詞 |
抗インフルエンザウイルス剤(ノイラミニダーゼ阻害剤)。A型とB型のインフルエンザウイルス感染症及びその予防薬。
|
物質の情報 |
基本情報 |
燐酸オセルタミビル
誘導体、関連物質の例 |
薬品の情報 |
薬効薬理 |
燐酸オセルタミビルはプロドラッグ(ドラッグの前駆体)であり、体内で代謝されることで活性化し、抗ウイルス効果を示す。
作用機序 |
本剤の活性体は、ヒトA型及びB型のインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し、感染細胞からの遊離を阻害することでウイルスの増殖を抑制する。
用法、用量 |
治療に用いる場合、成人及び体重37.5kg以上の小児にはオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口投与する。
予防に用いる場合、成人及び13歳以上の小児にはオセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間経口投与する。
年齢・症状に応じて適宜増減する。
副作用など |
タミフルのカプセル剤における副作用で、頻度が0.5%のものは、次の通りとされている。注記なきものは0.5%以上。
極まれに、肺炎や意識障害、血小板の減少などを起こすとされる。
本剤は尿として排泄されるため、高齢者や腎不全の患者には注意して使用する。腎臓病患者では急性腎不全を起こす可能性がある。
規制区分 |
製法 |
中華料理材料トウシキミの果実「八角」が原料で、その成分シキミ酸より10段階もの工程を経て合成されているとされる。このため合成には時間がかかる。
また、原料が天然物ゆえに確保可能な原料量は限られ、タミフルは世界各国が備蓄を進める中で慢性的な品不足状態が続いている。量産には他の方法の開発が必要だった。
そんな中、東大大学院薬学系研究科の柴崎正勝教授らのグループにより、植物原料を使わず化学的に製造する方法が開発された。報道によると、石油から生成される安価な物質1,4-シクロヘキサジエンを原料とし、シキミ酸なしで燐酸オセルタミビル(タミフル)の合成に成功したとされる。
合成法は2006(平成18)年2月23日に特許出願されているため、ここから合成手順を知ることができる。但し製造販売権はロシュにあるため、生産についてはロシュの許可が必要である。実用化研究についてはロシュと話し合って進められるとされる。
製品例 |
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |