炭素14
読み:たんそ-じゅうよん
外語:14 C
炭素の同位体の一つ。自然放射能の一つ。
情報
- 記号: 14C
- 原子番号: 6
- 質量数: 14 (陽子6、中性子8)
- 天然存在比: 1.2×10−10%
- 半減期: 5730年
- 比放射能: 1.65×1011 (1650億Bq/g)
- 比放射能の逆数: 6.07×10−12
- 崩壊の種類:崩壊後生成物
概要
炭素の放射性同位体である。全炭素中、1.2×10−10%、つまり0.00000000012%存在する。
鉱物などに含まれる炭素14(14C)を用いた年代測定「炭素年代測定」がよく使われている。
なお、炭素の半減期は約5730年であるが、炭素法では国際的取り決めにより半減期5568年として計算することになっている。
特徴
崩壊
半減期は5730年で、β崩壊する。
その殆どはβ−崩壊し、電子(β粒子)と反電子ニュートリノ( ̄(ν)e)を放出して、窒素の安定核種である窒素14(14N)になる。
生体への影響
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)における、炭素14の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
- 吸入摂取した場合 (蒸気) 5.8×10−7
- 吸入摂取した場合 (一酸化物) 8.0×10−10
- 吸入摂取した場合 (二酸化物) 6.5×10−9
- 吸入摂取した場合 (メタン) 2.9×10−9
- 経口摂取した場合 (有機物) 5.8×10−7
つまり、有機物で10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.0058ミリシーベルト(5.8マイクロシーベルト)である。
生成
核分裂や核融合で生じるのではなく、中性子との反応によって生じる。
太陽のような恒星中でももちろん生じているが、地球でも大気中にて生じており、このため半減期はさほど長くはないにも関わらず、地球上に存在している。
地球には、宇宙から常に宇宙線が降り注いでいる。これによって大気圏上空では様々な反応が生じており、この反応中に発生した中性子と、大気中の窒素が反応し、炭素14が生じる。
14N + n → 14C + 1H
この反応で、陽子と中性子が入れ替わる。
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