朝鮮の食文化。韓国料理。
朝鮮の文明は歴史が浅い。
北に位置し寒冷地である朝鮮では、日本が寒冷地用の稲を開発するまでは稲作ができず、穀物は主に雑穀が食べられていた。
他には、海や川で取れる魚介類、あるいは犬や猫といった身近の動物を食材としていたようである。
このような不毛の土地であり、周辺国からもたらされたとみられる料理を食べるなどしていたようで独自の食文化はあまり確認できないが、宮廷では支那などからもたらされた料理を食べていたとされている。
現在定着している朝鮮料理は、1910(明治43)年からの朝鮮併合以降、日本の統治によって本格的に形作られたものである。有名な白菜のキムチにしても、作られるようになったのは明治以降である。
伝統的に、スープ類の料理が多い。
- 器はテーブルに置き、左手でおさえて食べる (犬食いをする)
- 器を持ったり、器に口を付けて食べるのは不作法
- ご飯とスープは匙で食べ、麺類やおかず類は箸で食べる
- 肘をついて食べる
- 肉やキムチは鋏で切る
金属製の匙と箸を使う。食器も、金属のステンレス製か、またはプラスチック製が主流である。その理由は諸説あり明確なことは不明だが、朝鮮人は昔から定住せず移動することが多かった民族であるため、割れにくい素材が使われていたためとされる。また日本が植林するまでは禿げ山ばかりだったため、箸も木製や竹製を作ることが難しかっただろうと見込まれる。
日本から稲作がもたらされて以降は米飯も普及したが、それ以前は高黍(別名モロコシ)が主食であり、粥にして食べていた。
食事のマナーも、日本から伝わったと考えられる作法の影響も多少あるように見込まれるが、犬食いその他、日本ではマナーが悪いとされるものの改善はされていないようである。また、更に儒教のしきたりが混ざっている。
客人として招かれた席では、出された食事を完食せず、少し残して「充分な量があった」として感謝を述べることを美徳とする文化がある。
- 辛い
- 味より辛さが優先
- 全部ぐちゃぐちゃにかき混ぜて食べる料理が多い
- キムチ
主な調味料。
- 味噌類
- コチュジャン ‐ 朝鮮の唐辛子味噌
- サムジャン ‐ 朝鮮の味付け味噌
- チョングッチャン(清麹醤) ‐ 朝鮮の発酵大豆調味料
- テンジャン(テン醤) ‐ 朝鮮の味噌
- 醤油
- 魚醤
- 塩
- 唐辛子
- その他
分類は順不同、分類内は概ね50音順。実際には日本の料理など、他国由来のものもある。
- コムタン(コム湯) ‐ 牛肉を煮込んだスープ料理
- コリコムタン ‐ 牛の尻尾を使ったバリエーション
- タッコムタン ‐ 鶏肉を使ったバリエーション
- サムゲタン(蔘鷄湯/参鶏湯) ‐ 鶏肉、高麗人参、餅米などを煮込んだスープ料理
- ソルロンタン(先農湯) ‐ 骨付き牛肉を煮込んだスープ料理
日本でチゲ鍋と言う人がいるが、これでは「鍋鍋」になってしまう。
- カムジャタン(甘藷湯) ‐ 豚背骨とジャガイモを煮込んだ鍋
- キムチチゲ ‐ キムチ、肉、野菜を煮込んだ鍋
- スンドゥブチゲ ‐ おぼろ豆腐を入れたチゲ
- キムチ ‐ 白菜などの野菜を発酵させた漬け物
- チャプチェ(雜菜) ‐ 春雨の炒め物
- ナムル ‐ もやしなどの野菜と、ワラビなどの山菜や山草を塩ゆでし調味料を和えたもの。ビビンバの具
- カルビ ‐ あばら肉
- タッカルビ ‐ 鶏肉と野菜を使った焼肉料理
- ユッケ(肉膾) ‐ 生肉に薬味を乗せ、醤油、胡麻油、コチュジャンなどで味付けした肉料理
- プルコギ ‐ 肉と野菜を甘辛く炒め煮にした料理
- ケジャン(蟹醤) ‐ ワタリガニをタレに漬け込んだ料理
- フェ(鱠) ‐ 刺身
- ホンオフェ(洪魚鱠) ‐ 雁木〓(ガンギエイ)の刺身で、珍味
- キムパプ/キムハプ ‐ 朝鮮風の海苔巻き
- クッパ ‐ 雑炊
- ビビンバ ‐ 混ぜご飯
- スケキヨ丼 ‐ 新鮮な鮎5匹をご飯に逆さに突き立てた丼料理
- ククス ‐ 朝鮮風のうどん
- スジェビ ‐ 朝鮮風のすいとん
- トック ‐ 朝鮮風の餅
- トックッ ‐ 朝鮮風の雑煮らしきもの
- トッポッキ(トッポギ) ‐ トック(餅)の煮込み料理
- ラミョン(ラ麺) ‐ 朝鮮のインスタントラーメン
- 冷麺 ‐ 蕎麦粉と繋ぎの粉で作られた腰の強い麺料理
古くから様々な茶が飲まれていたとされる。但し日本や支那のような緑茶文化はない。
- オクスス茶 ‐ トウモロコシを焙煎したもの
- オミジャ茶(五味子茶) ‐ チョウセンゴミシの実を煎じたもの
- クッカ茶(菊花茶) ‐ キクの花を煎じたもの
- テチュ茶 ‐ ナツメの実を砂糖や蜂蜜で煮込み、これにお湯を注いだもの
- ポリ茶(麦茶) ‐ 日本の麦茶と同じ
- ユジャ茶(柚子茶) ‐ 柚子を砂糖や蜂蜜で煮込み、これにお湯を注いだもの
用語の所属
食文化
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南鮮産食品