ボツリヌストキシン
読み:ボツリヌスどくそ

 ボツリヌス菌が生成する毒素で、ボツリヌス症を起こす。主な生物兵器の一つ。「ボツリヌス毒素」とも。
目次

概要
 マウスの最少致死量は0.3ng/kgとされており、重量当たりの毒性ではボツリヌストキシンが最も致死量が小さい毒素であることから、現在知られる中では「自然界で最強の毒素」とされている。
 但し、ボツリヌストキシンは蛋白質であるため、熱に弱い。このため、充分に加熱すれば失活し、毒性はなくなる。

特徴

由来
 ボツリヌスの名は、1793(寛政5)年にドイツでソーセージを食べた人たちが罹患した病気に由来する。
 この病気はラテン語でソーセージを意味するbotellusからボツリズムと命名された。
 病原菌であるボツリヌス菌は、そこから約100年後の1897(明治30)年に分離されている。

治療法
 1gで100万人を殺せるとさえ言われている。人から人への伝染性は無いが、この毒素は人にとって最も有毒なもので、有効な治療法は今をもっても発見されていない。
 従って一度摂取してしまうと治療の術はなく、回復するか死ぬかを待つしかない。
 しかし現在の人間は、このような毒素を顔に注射して筋肉を麻痺させることでしわを消す治療に用いたりしている。

機能
 この毒素は神経末端からアセチルコリンの遊離を阻害する。
 これにより神経伝達が不可能になるため、筋肉が動かせなくなり、呼吸不能となり、結果として死に致ることになる。

兵器
 生物兵器として生産する場合、ボツリヌス菌は嫌気性なので、液体培地で培養してボツリヌストキシンを生産させる。
 使用方法としては、粉末にしてエアロゾル化し空中散布する方法があるが、効力は落ちてしまう。それ以外の用い方としては、水や食料に混入させることによって、それらの供給を妨害する手段として用いるというものもある。

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