先天性疾患
読み:せんてんせい-しっかん
生まれながらにして、許容できる範囲を越えて生じる身体的な変異・異常をもつこと。
目次
概要
特徴
主な疾患
近年の状況
今と昔
今
昔
概要
疾患は、検診により出生前から分かるものもあり、またそうでなくても、出生時、あるいは生後1年程度までに明らかとなることが多い。
身体の欠損などは特に
畸形
といい、それ以外にも染色体異常により引き起こされる
ダウン症
などの先天性疾患がある。
先天異常といっても、身体障害と精神障害が大きくある。身体障害に対しては、現在の社会はバリアフリーに努める傾向にある。
特徴
主な疾患
以下は全てではない。
畸形
二重体(結合体) (
シャム双生児
)
無脳症
および二分脊椎
顔面の異常
口蓋裂
口唇裂
循環器
の異常
先天性心疾患
消化管
の異常
先天性胆道閉鎖症
泌尿器
の異常
四肢骨格の異常
四肢の奇形
骨格の奇形
アザラシ肢症
腕の欠損
染色体異常
常染色体異常
常染色体トリソミー
13トリソミー症候群(バトー症候群)
18トリソミー症候群(エドワーズ症候群)
21トリソミー症候群(
ダウン症
)
常染色体部分モノソミー
5pモノソミー (5p-症候群)
5qモノソミー (5q-症候群)
4pモノソミー (4p-症候群)
13番染色体 遺伝子の異常
ウィルソン病
(ATP7B遺伝子)
網膜芽細胞腫(小児の失明の原因) (RB1遺伝子)
鬱病
喘息
21番染色体 遺伝子の異常
アルツハイマー型認知症
白血病
がん
躁鬱病
先天性難聴
筋ジストロフィー
性染色体異常
X染色体
筋ジストロフィー
不明なもの
自閉症
染色体数の異常
性染色体モノソミー
YO(
YO症候群
)
XO
(
ターナー症候群
)
過剰
XXX症候群
(スーパー女性) (XXX、XXXX、…)
クラインフェルター症候群
(X染色体過剰) (XXY、XXXY、…)
XYY症候群
(スーパー男性) (XYY、XYYY、…)
近年の状況
近年は晩婚化と高齢出産が進んでいることもあり、子供の先天疾患が増えているとされる。
次に、横浜市大国際先天異常モニタリングセンター(センター長=平原史樹・同大教授)調べの結果を示す。
1990-99
2000-09
無脳症
983
1180
水頭症
123
173
胎児水腫
507
1341
NT(定型発達)
526
1077
ダウン症
368
1122
その他
2919
6813
計
5381
1万1706
今と昔
今
現在は人権を重視するため、重大な疾患を持った子供が生まれても、それをすぐに殺したりはせず、そのまま育てることが多い。
しかし内臓などに疾患がある場合、そのままでは生きられないので外科的な
手術
が欠かせない。結果、体中メスの痕だらけとなり、右も左も分からないうちから子供は日々苦痛を味わわねばならず、そしてやがて、苦痛の中で短い生涯を閉じることになる。
臓器移植などもありうる。現在は、日本でも
杉本裕弥
という金字塔があって臓器移植の技術は進み、かなりの命が救われるようになった。それでも、無理なものはある。
体を切り刻んでまで生かすことが、果たして良いことなのかどうかについては様々な意見があり結論は見いだされていないが、そういった思想は差し置いたとしても、殆ど全部の臓器を交換しないと生きられないような場合、その短い寿命は運命として受け入れることも必要ではないかと思われる。
昔
日本がまだ貧しかった頃、赤ん坊は「
産婆
」と呼ばれる女性が取り上げていたが、産婆は「産婆としての仕事」をすることで、その当時としての価値観で、それなりのことをしていた。
現在の価値観では残酷なことをするわけだが、貧しかった当時の価値観では、働けないものは「穀潰し」と言い、養うことはなかったのである。
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