シャム双生児
読み:シャムそうせいじ
外語:Siamese twins
畸形の一種で、お互いの体の一部が繋がった双生児のこと。結合双生児。日本ではベトナムの双生児であった「ベトちゃん・ドクちゃん」が有名である。
概要
発生
かくして産まれた子供はいわゆる畸形児であるが、一卵性双生児の中から一定の割合で必ず発生する。
しかし、不思議と日本では聞かれない。日本では超音波検査(エコー検査)などで事前の胎児確認などが容易にできるので、……まぁ、そういうことなのだろう。
名の由来
シャムとはタイ国の旧名で、1939(昭和14)年まで正式国名として使われていたものである。
このシャム人の体の繋がった双生児チャンとエンが欧米で見世物的に紹介され、彼らは興行に大成功したことから、シャム双生児と呼ばれるようになった。
彼らは1811年5月11日(文化8年3月19日)、シャムのメコン川流域の村で生を享けた。父は支那人、母は支那人とシャム人のハーフであったとされる。彼らの名前が支那風なのは、これが理由であろう。
彼らは胸骨付近で結合しており、肝臓だけを共有し、それ以外は完全に独立していた。後に世界を興業し名を馳せ、大きな財を築き、またそれぞれ別の女性と結婚し多くの子供を授かるまで成功したとされる。
しかし彼らも世を去ることになる。1874(明治7)年1月17日深夜、体調を崩していたチャンが急逝した。それに気付いたエンは家族を呼び集め、そしてチャンの死後約3時間でエンも亡くなった。
彼らを唯一結びつけていた肝臓は現在、フィラデルフィアのダウンタウンの中央にあるムター博物館に、ホルマリン漬けで保存されている。
特徴
状態
繋がっているといっても、単に繋がっているだけではない。
臓器や器官の一部または大半を両者が共有しているのが特徴である。体は一つだが頭が二つ、逆に頭は一つだが体が二つ、といったケースもある。
このため、現代の医学をもってしても、分離は容易ではない。
原因
ベトちゃん・ドクちゃんによって、日本その他ではベトナム戦争でアメリカが撒いた枯葉剤に含まれるダイオキシンが発生の原因とする説が流布された。
しかし、実際にはベトナム戦争が勃発する以前からインドシナ半島にはシャム双生児が多く存在していた。
従って農薬薬やダイオキシンが原因とは、学術的見地からは断定することができない。
再検索