乾電池 |
辞書:科学用語の基礎知識 電子部品電池編 (NELECB) |
読み:かんでんち |
外語:dry cell battery |
品詞:名詞 |
化学電池のうち、一次電池の一つ。電解質を綿紙やでんぷんに吸着させたり、あるいは糊状にし、液が外に漏れないようにしたもの。
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概要 |
乾電池が発明される前は、液体の電解質が容器に入った蓄電池しかなく、重く扱いも不便だった。
この不便を改善するために乾電池が発明された。
「乾」というのは、古い液体の電池に対する名である。
特徴 |
由来 |
電池の発明者はイタリアのボルタであることはよく知られる。
乾電池の発明者は屋井先蔵(やい・さきぞう)で、1885(明治18)年のことだった。そして数年の改良の後に実用化された。しかし残念なことに屋井先蔵は貧しかったため1892(明治25)年まで特許出願ができず、結果、乾電池は1887(明治20)年にドイツのカール・ガスナー(Carl Gassner)が発明した、ということになってしまった。
それでも、乾電池の発明者は日本人だということは揺るぎない事実であり、日本人として誇れるものであろう。
特性 |
乾電池は小型軽量で扱いやすく、また液漏れがしにくいように作られた。しかし、扱いによっては液漏れをする欠点がある。
乾電池は充電することができない。
筒型乾電池は、大きさに関わらず電圧は1.5Vである。大きいほうが容量が大きいので、長時間使用できる。
材質 |
マンガン電池(マンガン乾電池)は、フランスのルクランシェ(Georges Leclanche)が考案したしたもので、正極の二酸化マンガンを負極の亜鉛で囲み、電解液には弱酸性の塩化亜鉛や塩化アンモニウムを用いている。
アルカリ電池(アルカリ乾電池)は、電解液を水酸化カリウムに変えたもの。導電性が高まり内部抵抗が減ったため、マンガン電池より大容量の電流が取り出せるようになった。
種類 |
代表的な規格 |
寸法は、IEC 60086-1:1996、あるいはJIS C 8500:1996で規定されている。国際規格であるが、呼称に関しては規格や国によって様々である。
日本国内で市販されているものは、単1形から単5形と、角型で9Vの006Pの6種類である。
寸法 | 通称 | IEC 60086/JIS C 8500 | ||||||
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直径 | 高さ | 日本 | アメリカ | 欧州 | マンガン | アルカリ | ニッケル | リチウム |
34.2mm | 61.5mm | 単1形 | D | Mono | R20 | LR20 | ||
26.2mm | 50.0mm | 単2形 | C | Baby | R14 | LR14 | ||
14.5mm | 50.5mm | 単3形 | AA | Mignon | R6 | LR6 | ZR6 | FR6 |
10.5mm | 44.5mm | 単4形 | AAA | Micro | R03 | LR03 | ZR03 | FR03 |
12.0mm | 30.2mm | 単5形 | N | Lady | R1 | LR1 | ||
8.3mm | 42.5mm | 単6形 | AAAA | |||||
006P | 9V | 6F22 | 6LR61 |
表中に併記した単6形は、IEC/JIS共に規格外である。
その他 |
その他の特殊電池は、積層電池であることも多い。積層電池は、既に廃れたものも含めて無数にある。
リンク |
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