ベンゾピレン |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質編 (NSUB) |
読み:ベンゾピレン |
外語:benzopyrene |
品詞:名詞 |
ベンゼン環が五つオルト縮合した物質。多環芳香族炭化水素(PAH)の一つで、発がん性物質として知られる。
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概要 |
コールタールや木酢液、ディーゼルエンジンの排気ガス、煙草の煙などに含まれている。
また、焦げた食べ物にも含まれており、調理中の加熱によって生じるとされている。
煙草の煙に含まれていることからも分かるように、少し摂取したからといってすぐがんになって死んでしまうほどの物質ではないが、ベンゾピレンを摂取すると体内でチトクロムP450などの酵素の代謝を受けて本当の発がん物質に変化し、これがDNAを傷つけるため細胞をがん化させることが知られる。
特徴 |
構造 |
ベンゾピレンは2種類の構造が可能である。
食品への含有 |
アメリカでの研究では、よく焼いたステーキやバーベキュー、ハンバーガーなど、アメリカ人がよく食べている食品中に、一定量のベンゾピレンが含有しているとされた。
またポテトチップスやインスタントラーメンのように揚げた食品にも含まれているとされており、いずれにせよベンゾピレンを避ける食事というのは不可能といえる。
スナック菓子などにはよく「黒い粒が含まれていますが単なる焦げです」的なことが書かれているが誰も気にしていないし、これでがんになったという話も聞かれない。適度な量なら心配はないと言える。
危険性 |
国際がん研究機構(IARC)における、発がん性の分類は、グループ2A(ヒトに対し発がん性を示す可能性がある)である。
グループ1よりは危険が低いと認定されており、グループ1である酒や煙草よりは安全だと判断することができる。摂りすぎを避けるよう気を付ける程度の配慮が必要だろうが、それ以上の過剰な排斥はメリットがないとも言える。
リンク |
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