摂取すれば即死する猛毒の一つ。通称、青酸カリ。
- 組成式: KCN
- 構造式: K‐C≡N
- 分子量: 65.12
- 融点: 634℃
- 沸点: 1625℃
- CAS番号: 151-50-8
- ICSC番号: 0671
- 化学名: ‐
- 外観: 無色の粉末状結晶で、アーモンドの花に似た臭いがする
- 溶解性:
水溶液は、強アルカリ性で、中程度の強さの塩基である。
致死量は0.15g。
実際にはシアン化カリウム(青酸カリ)自体が毒なのではない。シアン化カリウムが胃酸と反応して猛毒のシアン化水素(青酸)を発生し、これがヘモグロビンと結合するために死亡するのである(KCN+HCl→HCN+KCl)。
三流ミステリー作品で頻用される毒物。
口紅に塗っておいて毒殺、などというものもあるが、こんな強アルカリを粘膜(唇)に塗ったら激痛は間違いなく、すぐに洗い流されて終わりだろう。
味も強烈なので、水やお茶にまぜて飲ませる、などもおよそ不可能である。食器に塗って、なども同様の理由で不可能である。
空気中ではCO2で分解され、無毒のKHCO3やK2CO3になってしまうので、散布で使うことも難しい。
自殺に使いたがる人もいるが、シアン化カリウムの中毒症状は呼吸阻害である。つまり窒息である。飲むと段々呼吸が苦しくなって、最後は呼吸困難でのたうち回りつつ、窒息で死ぬものと思われる。
ミステリー作品みたいに、ポックリ逝ったりはまずしない。凄く苦しそうなので、自殺用としてはとてもお薦めできない。
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 眼、皮膚、気道を重度に刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 規制値
- 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
- 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
- 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
- 暴露許容濃度(TLV): 5mg/m3(天井値); (皮膚) (ACGIH 2005) (ただし、CNとして)
- 最大許容作業濃度(MAK): (吸引性画分) 2mg/m3; 皮膚吸収(H); ピーク暴露限度カテゴリー:II(1); 妊娠中のリスクグループ:C (DFG 2004)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: 水生生物に対して毒性が非常に強い
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
毒
関連する用語
シアン (物質)
シアン化水素
青酸カリ