車内LAN
読み:しゃないラン
自動車
の中に張り巡らされている
LAN
(
ネットワーク
)のこと。車載LANとも。
目次
概要
特徴
分類
種類
一覧
適用
主流など
制御系
情報系
概要
自動車に
ECU
が搭載され自動制御が始まったのは1970年代である。
当初は数個だったECUも、車が多機能化するに従い制御の内容も高度化し、さらに制御するべき箇所も増えた。このため、今では一台の乗用車に50ないし60個のECU、車種によっては100個を超えるECUが搭載されるようになっている。
こうなると、もはや個別の接続は不可能となり、もって接続にLAN形式を取るようになった。これが車内LANである。
特徴
分類
一つの乗用車でも車内LANの種類は一つだけではなく、用途によって、通信速度、信頼性、コストなどから様々なものが使われている。
大きく、車の制御そのものに関わる制御系と、それ以外の情報系とに分けられる。分類方法によっては安全系という分類を設けることもある。
制御系 (走行や車体に関するもの)
パワー・トレイン系 (エンジン制御など)
シャーシ系 (サスペンション、ステアリングなど)
ボディ系 (エアコン、ドアなど内装品)
安全系 (センサー、エアバッグなど)
情報系 (カーナビやオーディオなど)
種類
一覧
制御系 (走行や車体に関するもの)
CAN
(125Kbpsから1Mbps) ISO 11898、ISO 11519
FlexRay
(2.5Mbps/5Mbps/10Mbps)
LIN
(1Kから20Kbps) ISO 9141
BEAN
(10Kbps)
IVMS
MPCS
TTP/C
J1850
安全系 (センサー、エアバッグなど)
DSI (Distributed Systems Interface)
PSI5 (Peripheral Sensor Interface 5)
SbW+ (Safe-by-Wire Plus)
情報系 (カーナビやオーディオなど)
D2B
MOST
(25Mbps/50Mbps/150Mbps)
IDB-1394 (100Mbps/200Mbps/400Mbps)
AVC-LAN
(トヨタ車専用規格、17.8kbps)
適用
制御系各系統ごとに使われている主な車内LANの仕様は次の通り。
パワー・トレイン系 (エンジン制御など)
CAN
FlexRay
シャーシ系 (サスペンション、ステアリングなど)
CAN
FlexRay
TTP/C
ボディ系 (エアコン、ドアなど内装品)
LIN
CAN
BEAN
(トヨタ)
IVMS (日産)
MPCS (ホンダ)
主流など
制御系
制御系は、用途により要求速度なども違ってくる。
安全系: 数100kbps〜10Mbps
ボディー系: 数10kbps〜1Mbps
車内LANは各社がそれぞれ独自に開発し今に至るが、コスト問題の改善などを目的に、徐々に共通化も進んでいる。
現在は、制御系ではISOで標準化された
CAN
が主流であるが、より高速で様々なものが接続できるものとしてFlexRayが作られ、普及が始まっている。
逆に、ドアミラーや電動ウィンドウの制御などは低速でも充分であり、より低速低コストの技術としてLINが生まれた。
情報系
カーナビ、オーディオ、車載カメラなど、情報系では様々なものが使われている。
主流はMOSTだが、トヨタ車ではAVC-LANも使われている。
近年は、IEEE 1394の技術を車に転用した、IDB-1394という規格も作られ、使われるようになっている。
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