FlexRay
読み:フレックスレイ
外語:FlexRay

 パワー・トレイン系向け制御系車内LANの一つ。
目次

概要

趣旨
 エンジン、ギア、X-by-Wireなどを主要なアプリケーションとする通信プロトコルである。
 従来のCANより高速で、多様なネットワーク構成に対応する。
 FlexRayコンソーシアムにて標準化が進められている。FlexRayはDaimler Chrysler AGの登録商標である。

バージョン
FlexRay 1.0 (2002(平成14)年4月)
最初の仕様
FlexRay 2.0 (2004(平成16)年6月)
FlexRay 2.1
FlexRay 2.1a (2005(平成17)年12月)
欧州で普及した。
FlexRay 3.0 (2009(平成21)年末発表予定だった)
日本で採用するために拡張を加えられたバージョン。
速度は正式に10Mbpsに対応し、ノード数もスター型で22まで対応。

特徴

性能
 一つのネットワークに最大22ノードが接続できる。
 通信速度は2.5Mbps/5Mbps/10Mbpsである。
 バス距離は最大22mだが、トポロジーによって変化する。
 物理層は、メタル線の他に、プラスチック光ファイバー(POF)を利用可能。

主要機能
 FlexRayは、将来を見据えて、次のような機能を有している。

タイムトリガー
 従来のCANなどはCSMA/CD方式を採用しており、イベントドリブンで動作していた。優先度に応じて送信順位を決定するが、このため必要な情報を送るために遅延が発生することもあった。
 FlexRayは、タイムトリガー方式を採用しており、接続されたそれぞれの機器は、あらかじめ決められたスケジュールでデータを送信する。このため、遅延を最小限とし、確実にデータを送ることが可能となる。

物理層
 メタル線と光ファイバーがある。メタル線の場合は、バスは、Idle_LP、Idle、Data_1、Data_0という4つの状態が定義されている。
 信号線は2線式で、データ送信中は、一方が論理HIGHならもう一方は論理LOWとなり、どちらがHIGH/LOWかによってData_0/Data_1を表わす平衡伝送方式が採用されている。

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