京都通り名
読み:きょうととおりな
外語:Street name of Kyo^to

 京都市内中心部にある碁盤目状に並んだ通りの名。京都では、歴史的な住所表現として長く利用されている通称住所である。
目次

概要
 京都、すなわち平安京は、唐(唐朝)の都・長安を参考に条坊制を採用し、道路が東西南北に碁盤目状に作られている。
 平安京では40丈(121m)四方に大路・小路を作り町を分けた。中心部ではその殆どの通りが通り名を持っており、通り名で住所を表わすことができる。
 平安京の時代から現在まで、新たな道路の建設(天正地割など)や様々な近年の都市開発の影響で姿を変えてはいるが、基本的な構造はほぼ現在に残されている。

特徴

名前
 京都の中心部の通りには殆どに名前がある。特徴は「○○通」と書かれ、「り」を送らないことである。道路標識は例外で「○○通り」と書かれている(市外の人も見るためと思われる)。
 通りの名はいずれも固有名詞であり、特に規則もないので、暗記して覚える以外には覚える方法がない。そこで童歌などが作られており、京都の子供はこれを歌って京都の通りの名を覚えていた。
 現在知られるものとしては、東西の通りの歌「丸竹夷(まるたけえびす)」と、南北の通りの歌「寺御幸(てらごこ)」がある。
 主に口伝による伝承のため様々なバリエーションがあるのも特徴である。代表的な歌詞を以下に示す。

丸竹夷(まるたけえびす)
 京都の東西の通り名は、丸太町(まるたまち)通から、南方向へ順に歌い上げる。
 丸竹夷二押御池(まるたけえびすにおしおいけ)
 姉三六角蛸錦(あねさんろっかくたこにしき)
 四綾仏高松万五条(しあやぶったかまつまんごじょう)
 雪駄(せった)ちゃらちゃら魚の棚(うおのたな)
 六条七条(ろくじょうひっちょう)とおりすぎ
 八条(はっちょう)こえれば東寺道(とうじみち)
 九条大路(くじょうおおじ)でとどめさす
 それぞれ、次の通りをいう。
 歌は五条で終わらせることもあるが、更に南まで歌い込むこともある。また、五条以南は、様々な種類の歌詞が存在している。
 よく知られる別の歌詞は、次の通り。
 六条三哲(ろくじょうさんてつ)とおりすぎ
 七条(ひっちょう)こえれば八九条(はっくじょう)
 十条東寺(じゅうじょうとうじ)でとどめさす
 三哲(塩小路通)が七条より先に出て来るなど、実際の順序とは異なっている。また十条は明治期頃に作られた比較的新しい通であることから、この十条がある歌詞は、比較的近代に作られたものと考えられている。
 また、最後を次のように歌う歌詞もよく知られ、「NHKみんなの童謡」で放送されたものがYouTubeに無断アップロードされている。
 雪駄(せきだ)ちゃらちゃら魚の棚(うおのたな)
 六条七条(ろくじょうひっちょう)とおりすぎ
 八条(はっちょう)こえれば東寺道(とうじみち)
 九条東寺(くじょうとうじ)でとどめさす
 なお、東寺は道の名前ではない。
 全体として歌が丸太町通から始まるのは、江戸時代は概ね丸太町通以南、五条通以北に町家があったためで、その外は田畑だった。現在、北は概ね北大路通あたりまでは碁盤状だが、これは歌われていないので自力で覚えることになる。
 また、花屋町通、上数珠屋町通/下数珠屋町通など、幾つかの代表的な通りの名が抜けている。

寺御幸(てらごこ)
 京都の南北の通り名は、寺町(てらまち)通からの千本(せんぼん)通まで、東から西に順に歌い上げる。
 丸竹夷よりも難易度が高い。
 寺御幸麩屋町富柳堺(てらごこふやちょうとみやなぎさかい)
 高間東車屋町(たかあいひがしくるまやちょう)
 烏両替室衣(からすりょうがえむろころも)
 新町釜座西小川(しんまちかまんざにしおがわ)
 油醒ヶ井で堀川の水(あぶらさめがいでほりかわのみず)
 葭屋猪黒大宮へ(よしやいのくろおおみやへ)
 松日暮に智恵光院(まつひぐらしにちえこういん)
 浄福千本はては西陣(じょうふくせんぼんはてはにしじん)
 それぞれ、次の通りをいう。
 西陣は通りの名ではなく地名である。

通りの名前

区画
 西は西大路通、東は鴨川までの範囲で、それぞれの大通りの間にある小さな通りを区画ごとに以下に記す。
 道路名が交差した所の名前は交差点の名前。アイウと英字が道路に挟まれ各ブロックである。
横の通り\縦の通り西大路通堀川通烏丸通河原町通
   
 北大路通  堀川北大路 烏丸北大路 下鴨本通北大路
A  アA イA ウA 
 今出川通北野白梅町 堀川今出川 烏丸今出川 河原町今出川
B  アB イB ウB 
 丸太町通円町 堀川丸太町 烏丸丸太町 河原町丸太町
C  アC イC ウC 
 御池通西大路御池 堀川御池 烏丸御池 河原町御池
D  アD イD ウD 
 四条通西大路四条 四条堀川 四条烏丸 四条河原町
E  アE イE ウE 
 五条通西大路五条 堀川五条 烏丸五条 河原町五条
F  アF イF ウF 
 七条通西大路七条 七条堀川 烏丸七条 七条河原町
G  アG イG ウG 
 九条通西大路九条 九条油小路 九条烏丸 九条河原町

ア (西大路通 ‐ 堀川通)

アA (北大路通 ‐ 今出川通)
 この領域は格子状ではない。順序は概略である。
 このブロックの主要な施設は、北野天満宮、建勲神社、船岡山公園、島津製作所などである。

アB (今出川通 ‐ 丸太町通)
 この領域は格子が崩れている。順序は概略である。

アC (丸太町通 ‐ 御池通)
 このブロックの主要な施設は、二条城、二条駅、である。

アD (御池通 ‐ 四条通)

アE (四条通 ‐ 五条通)
 この領域は格子が崩れている。順序は概略である。
 このブロックの主要な施設は、京都市立病院、京都市立看護短大、光徳公園、である。

アF (五条通 ‐ 七条通)
 このブロックの主要な施設は、京都リサーチパーク、西本願寺、丹波口駅、中央卸売市場、である。

アG (七条通 ‐ 九条通)
 この領域は鉄道路線や、路線の分岐などにスペースが割かれており、格子状になっていない。順序は概略である。
 このブロックの主要な施設は、東寺、洛陽工高、である。

イ (堀川通 ‐ 烏丸通)

イA (北大路通 ‐ 今出川通)
 この領域は格子が崩れている。順序は概略である。
 このブロックは、上御霊前通と寺之内通の間に寺院が多数存在する。

イB (今出川通 ‐ 丸太町通)
 このブロックは、京都府庁が存在する。

イC (丸太町通 ‐ 御池通)

イD (御池通 ‐ 四条通)

イE (四条通 ‐ 五条通)

イF (五条通 ‐ 七条通)
 このブロックは、東本願寺が存在する。

イG (七条通 ‐ 九条通)
 このブロックは、京都駅が存在する。

ウ (烏丸通 ‐ 河原町通)

ウA (北大路通 ‐ 今出川通)
 この領域は格子が崩れている。順序は概略である。
 このブロックは、同志社大学が存在する。

ウB (今出川通 ‐ 丸太町通)
 このブロックは、京都御所が存在する。御所内にも道路はあるが、一般車は走行できない。

ウC (丸太町通 ‐ 御池通)
 このブロックは、京都市役所が存在する。

ウD (御池通 ‐ 四条通)

ウE (四条通 ‐ 五条通)

ウF (五条通 ‐ 七条通)
 このブロックは、渉成園が存在する。

ウG (七条通 ‐ 九条通)
 このブロックは、京都駅が存在する。

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