読み:さかき

 神棚に供える植物。通常は、神棚の左右に一対、榊の枝(葉)をお供えする。
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概要
 榊は、少なくとも月に二回、1日・15日に換えるのが基本で、少なくともその数日前から花屋や生花を扱うスーパーマーケット等で販売が始まる。
 西日本では、日を問わず毎日販売されている店も多いようである。

特徴

本榊
 サカキと名の付く植物には幾つかあるが、神棚にお供えするのは基本的には本榊である。
 花屋などで榊として販売されているものは、ほぼ本榊である。
 但し、本榊は温暖な地域にしか生息しないため、東日本の寒冷な地域ではヒサカキ(〓)などの近縁種が使われることがある。

産地
 榊という植物は日本原産で、他に日本の周辺国で栽培されている。
 日本で販売されている神棚用の榊の90%は支那から輸入したもので、国産と明記されていないものは間違いなく支那産である。
 しかし、見栄え、日持ちなどの品質面は国産の方が優れていると宣伝されており(実際は不明)、そもそも、日本の信仰であるなら日本の榊を、という傾向もあり、近年は国産の榊の生産や流通も増えているとのことである。

補足

根切り
 買ってきた榊は、そのままではなく、末端を硬いものが切れる鋏を使って切り落とすと日持ちする。
 枝の末端から根が生えているわけではないが、これを一般に「根切り」という。
 関東では「根切り」で通じることが多いが、関西では一般的でないらしくあまり通じない傾向にある。

正月飾り
 店によっては扱っていないようだが、正月には榊に「松竹梅」を足したものが使われる。
 これはいつもの榊に、松の葉、竹の葉、梅の枝を足したものであり、お正月らしく、おめでたいものを集めた飾りである。
 地域によっては、榊を外して、松竹梅のみをお供えすることもあるようである。

神話
 神道で榊を供えるのは、日本神話に榊が登場するためである。
 天津神の住む天上界「高天原」には天香具山という山があり、この山には榊の木が生えているとされる。
 皇族の始祖とされている邇邇芸命(ニニギノミコト)が高天原から葦原中国(あしわらのなかつくに=日本のこと)に降り立つ「天孫降臨」の際、榊の木を持ち、そして葦原中国に榊を植えたとされる。
 そのため神道では榊を神事に用いる。「榊」という字も、神事に用いる木として日本で作られた国字である。

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