査証
読み:さしょう
外語:visa

 訪問しようとする国の大使館又は総領事館等(これを在外公館という)が、その旅行者が所持する旅券は有効であり、かつ入国させても支障のない者であると認定して与える推薦書のこと。旅券の裏書き。ビザ。
目次

役割
 査証は、その国への入国の一つの条件となる。但し入国許可証ではない。
 不適切な者を入国させないように、審査を行なうことが、査証の存在意義である。
 査証の発行は旅券の査証欄にスタンプを押すものが多いが、中にはホチキス止め、糊付けするものもある。判明しているところでは、アメリカ、イタリア(おそらくシェンゲン加盟国すべて)、支那は糊付け(これらでは査証に顔写真が入る)、インドネシアはスタンプである。
 

種類
 査証には、次のような種類がある。

取得方法

日本から世界

日本人と査証
 日本国籍の人の場合、短期の観光目的や通過目的であれば、殆どの国は無査証・入国審査無しで入国可能であるため、査証の取得を要しないことが多い。日本国旅券は世界最強だからである。
 但し、長期旅行や留学目的などの場合には査証が必要である。このうち「長期」の条件、つまり無査証で滞在可能な期間は国により異なるので、事前確認が必要である。

査証の取得方法
 日本人が査証が必要な国へ海外旅行する場合は、事前に日本国内にある相手国の在外公館に旅券と申請書を提出して査証の申請を行なうことになる。
 国にもより、日本人なら現地の空港で取得できる場合もあるが、時間が掛かることもある。基本的には外国に出かける前に予め査証を取得するのが通例である。お間違えのないように。
 ちなみに昔、東欧諸国の入国にビザが必要だった頃は、ウィーンの(ハンガリーなどの)領事館でビザ発行してもらう、という手はあったらしい。日本では1週間以上掛かる手続きが1、2日で完了したとの話である。
 
 

査証の必要ない主な国
 特に記述のない国は、短期の旅行目的の場合のみ、査証は免除される。
 日数等は、観光目的(商談等通常の商用目的を含む)における日数条件である。
 シェンゲン協定加盟国は、それぞれ出入国に関して単一の国と同様の扱いとなる。

査証が必要な主な国
 特に記述のない国は、査証が必ず必要。
 日本国籍の場合、査証免除取極があるためレバノン共和国への入国に査証は不要だが、旅券に出入国スタンプがある場合、査証があってもその隣国(シリア、イエメン、スーダン、リビア)へは入国できなくなる。
 オーストラリアは、通過の場合は原則として査証不要だが、日本国籍の場合、極めて簡単な手続きでWebサイトからETA(電子入国許可)を取得することができ、取得するとオーストラリア国内に最大3ヶ月まで滞在できる。なお、空港から出ないトランジット(例えばドバイ→シドニー→オークランドへの旅行)でも取得しておいた方が安全であるとされている。

世界から日本
 日本へ入国しようとする外国人(船舶や航空機の乗員を除く)は、その当人の自国にある日本国大使館または総領事館等で予め査証を取得した上で来日せねばならない。
 但し、一部の国に対しては、短期滞在に限り査証を免除している。

補足
 なお、「査証が必要」かどうかと「入出国の審査が厳しい」かどうかは無関係である。
 ある人の個人的な感覚では、入国審査の嫌な順は以下のとおり(下に行くほど嫌)だったとする。ただし、1回だけの経験も含むので一般論かどうかはわからないとしている。
  1. ヨーロッパ(英国、アイルランドを除く)
  2. 北アフリカ(チュニジア、モロッコ)・東南アジア(タイ、インドネシア、マレーシア)
  3. カナダ・ニュージーランド・支那
  4. 英国
  5. アメリカ
 西ヨーロッパ(英国、アイルランドを除く)では殆どの場合、日本国旅券を出したらすぐスタンプを押して返却してくれる。何か訊かれることは滅多にない(もちろん本人に問題がある場合やテロが予告されている場合などは除く)。
 北アフリカ、東南アジアも同様だが、入出国カードの記入が面倒(マレーシアはカード不要だった可能性あり)。
 カナダ、ニュージーランド、支那では若干質問されるが、普通は定型のもの(何日滞在するか、どこに泊まるか等)。
 アメリカ、英国では殆どの場合、最低2、3の質問をされ(定型外の場合もある)、答えられなければ通してもらえない。しかもアメリカの場合は係員が威圧的とされる(かつて、なぜ結婚してないのか、との質問があったとされる)。

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