三宝荒神
読み:さんぼう-こうじん
外語:三宝荒神

 日本独特の仏教における信仰対象の一つで、三宝()を守護するとされる神。
目次

概要
 三宝荒神は日本古来の神ではなく、修験道として広まったものとされており、神道や仏教と融合し現在に至るとされる。
 三宝荒神は仏教として信仰されるが、日本固有のものであり、そのため仏教の要素に、神道の要素を含めた独特の存在となっている。神仏習合の代表例と言える。
 神道においては、荒魂(あらみたま)と和魂(にぎみたま)という概念があるが、これは元来、一つの神の二つの側面を表わしたものであった。
 和魂は、神の優しさ、温和な霊力を表わす。
 荒魂は、神の勇猛さを表わすが、同時に人に対して祟りを及ぼすような霊力でもあり、神の怒りを表わすものとする考え方もある。

特徴

竈神
 神道における「竈の神」(竈神、かまど神)に対応するもので、三宝荒神は主として台所にて祀られる。
 但し考え方により、季節ごとに家の中を移動するともされており、その場合はその各々の場所にてお祀りをすることになる。


 神仏習合である三宝荒神は、高いところに棚を用意し、神道と同様に神棚に祀ることもあれば、仏式に荒神松のみをお供えするだけのこともある。
 三宝荒神は、お稲荷様と同様、通常のものとは別に用意した専用の神棚、いわゆる荒神宮を用いる。

荒神松
 三宝荒神は、神道と同様に榊か、または荒神松と呼ばれるものをお供えしてお祀りする。
 荒神松は、見た目は神道で用いる榊と変わらないが、荒神松には榊に松が3本付いているのが特徴となる。
 強く信仰される西日本では、榊を扱う花屋には確実に荒神松も存在するが、東日本ではマイナーであり、扱われていないことがある。その場合は自作するしかない。

礼拝作法
 仏教としてお祀りするので、線香を立てる。本数は特に決まりはない。
 一礼の後、神式に柏手を3回打つ。これは、「仏・法・僧」の三宝への帰依を表わすとされる。そして一礼をする。
 拝礼としては仏式にお経を読み上げるが、まず「般若心経」、次に荒神御真言(オン・ケンバヤ・ケンバヤ・ソワカ)を七反唱える。

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